【活動報告】こどもメディカルラリーに参加しました

 あなたはこどもメディカルラリーというのをご存じですか。元々は大人に対して応急手当、胸部圧迫(心臓マッサージ)、119番通報、AEDの使用方法について学ぼうという目的で作られたそうですが、こどもでもしっかり学べるということで、子ども用に作った企画だそうで、島根県内でも去年から開催されるようになっています。
 今回、去る2月8日に島根県職員会館で開催されると言うことで、当研究所の誇る研究員達4名がチャレンジしに行きました。本来は3名一組でチームを組んでシナリオに従った実戦的な演習もあるようなのですが、この日は子どもがなかなか集まらず、基礎的な内容をみっちりと教えていただきました。

講師やDVDの説明を聞く。真剣そのもの。

 まずは「push」と呼ばれる胸部圧迫とAEDの使用法についてDVDを見ながら説明を聞き、実際にやってみました。訓練で使うのは心臓を模したハート型のクッション。うまく圧迫ができるとクッションから音がします。

なかなかクッションから音が出ない。自棄になって叩いても音はでない。

 さすがに小学校低学年では立て続けに音を出すことは難しかったですが、それでもしっかりと胸部圧迫について教わり、次いでAEDの装着について教わっていました。

わかりやすいイラストと丁寧な説明で真剣に学ぶ

 続いて応急手当。鼻血のときの処置、切り傷など出血時の処置、そして骨折時に折れた部分を仮固定する方法などを教えてもらいました。

スタッフの人を練習台に、新聞紙と紐を使って脚の骨折部の固定をする訓練をする

腕を骨折した場合の仮固定の方法についても教わって、どのようにするのかも理解していました。
最後は倒れている人を発見したという設定で、119番通報とマネキンを使った胸部圧迫、そしてAEDの使用方法を試験器を使って実際にやっていました。

AEDがOKを出すか、救急隊員が来るまでは胸部圧迫を続ける
根気と体力が必要

 全部で2時間弱という非常に長く、そして暖房なしという寒い環境ではありましたが、研究員達は普段からもっている知識をしっかりとアップデートしていたようです。そのうちに島根県西部地域でもできるといいなと思いながら、今回の参加が終了しました。ちなみに研究員の感想は「119番通報の練習が一番面白かった」「心臓の圧迫を続けるのが難しかった」「身の回りにあるもので応急処置できそう」といった感じで、普段やらない部分をしっかりとマスターしたようでした。
 最後に、こどもメディカルラリーでお世話いただきましたスタッフの皆様に、改めてお礼申し上げます。

キッチンペーパーでマスクを作ってみた

 新型コロナウイルスやらインフルエンザウイルスやら、花粉やらPMやら。
 ひょっとしたら全世界的にマスクが不足しているのかもしれない。どこにいっても使い捨てタイプのマスクがない。使い捨てどころか、マスクがない。見つけられるのは防塵マスクか防毒マスク、もしくは塗装用のカップタイプのマスク。これは通気性が悪いので長時間の着用は難しい。
 すでに花粉が飛んでいるようで目がしぱしぱする。しばらくはマスクは手に入りそうにない。相方は子ども用に手作り布マスクを作成しているのですが、こちらも資材が滞りがちだとか。
 そういえば、前にどこかでキッチンペーパーを使った使い捨てマスクの作り方があったような気がする、ということで、リンク先の作り方(備える。jpのサイトへリンクしています)に従ってマスクを作成してみました。

下線部のところが破れてしまった。付け心地はよい。

 これは口元に空間ができるタイプで、非常に使いやすくよくできているのですが、私のように取り扱いが雑な人間だと、簡単に破れてしまうことが判明。その上、耳元が輪ゴムでは長時間の着用はつらい。そういうわけで、使い終わったマスクをばらして耳のゴムを転用してみたのですが、なんとなく不細工になってしまって不採用。
 ちょっとやけ気味に、そのまま折って作ってみた。

キッチンペーパーを二つ折りして四隅にステープラでマスクの紐を取り付けただけのマスク。
下のマスクと比べると、一回りくらい大きいが、いちおうできた。

 サイズ的には問題なし。というかでかい。
 鼻周りに隙間ができてしまうので、使い終わったマスクから鼻のところを締める金具を持ってきてステープラで止めてみた。

マスク上部に見えるのがステープラで止めた鼻当ての部分。
市販品ほどしっかりとは止まらない。

 なんとなくそれっぽくなったけれど、どうにもイマイチ。お掃除用の不織布を買ってこようかなぁと思いつつ、とりあえずこのマスクを使ってみます。
 このマスク、欠点はいろいろとあるのですが、口元に隙間がないので唇から水分が持っていかれます。しゃべるとより顕著。
 やはり最初の作り方のとおりプリーツタイプにして外側の周りを強化するか、鼻当てを工夫して口元に隙間を作るか、ちょっと考えています。

ペール缶コンロで焼き芋を作ってみた

 今年はあまり寒さを感じさせない日が多いのですが、それでも焚き火をするにはご機嫌な季節です。そして焚き火というとやはり焼き芋は定番でしょう。
 先日、とあるイベントで焚き火をし焼き芋を食べたのですが、ふとうちのペール缶コンロでも焼き芋はできるのだろうかと考え、思いついたからにはやってみるということで、いつものペール缶コンロで焼き芋作りに挑戦です。
 このペール缶コンロ、普通のと違っていて底が抜いてありロケットストーブと似た構造になっていますので、少量の薪で充分暖かくなれる便利なものです。着火もしやすく、燃え残りも殆ど出ない優れもの。これに木ぎれを入れて火をつけ焼き芋を作ってみようという算段です。
 着火剤として、電化製品の梱包材に使われる圧縮した紙を使ってみたら、あっという間に火が起きました。

 びっくりするくらい火力があります。これに薪を加えて炭にするのですが、完全燃焼が目的のこのタイプの炉ではうまく炭になりません。
 サツマイモを濡らした新聞紙でくるみ、アルミホイルに巻いて、適当なところで炉の中へ放り込み、焚き火でやるのと同じくら15分程度焼いたら取り出します。
 火力調整をしていたのですが、15分経つと薪はすっかり燃え切っていました。

 で、3本焼いたのですが、火力が強すぎたらしくアルミホイルが溶けてしまっているものもありました。3本中、2本はほぼ炭化。1本はなんとか食べられる状態でした。

 できあがりは、それでも食べられるところはほくほくでとっても甘いものができていました。このタイプの炉で焼き芋を作るためには、普通の焚き火よりも手を加えないといけない感じです。
どんな風にしたらいいのかはこの次までの課題にしておくことにしましたが、ともあれじっくりと焼いた芋はこの時期最高のごちそうです。
安全に注意して、焚き火のできる場所で是非試してみてください。

小さな火を作るポイント

小さな火の代表「ローソク」。どれくらいの人が使ったことがあるだろうか?

 災害時に停電などのライフラインの停止が発生すると、暗いときにどうやって灯りと暖を取るかということが問題となってきます。
 焚き火の場合には、燃えるものと火をつけるものがあれば火がつくので簡単に灯りと暖房を得ることができますが、安全の問題から普通の家の屋内でやるわけにはいきません。

焚き火は屋内でやると酸欠と引火の問題が起きるので外でやること


 小さくて安全な灯りを作って、それでそれなりの暖をとるということになるのでしょうが、小さな火を作るためにはいくつかの条件があります。
 一つは可燃性の高いものは使わないこと。ガソリンや灯油、アルコールなどは非常に揮発性が高いので、小さな火を作るのには向きません。専用のランタンやランプの機材を準備できない場合には使えないと考えてください。
 揮発性の低い可燃性のあるもの、例えばサラダ油やバターといったものを使うことになりますが、これらは単体では燃えることは殆どありません。
 これらを燃やすためには、燃える場所となる芯が必要です。たこ糸やティッシュペーパーを撚ったものなどを芯にして、そこに油を吸わせて燃やすことで、小さな火を作ることができます。ロウソクをイメージすればよくわかるかもしれませんし、最近すっかり有名になったツナ缶ローソクもこの理屈で燃やしています。

ツナ缶ロウソク。燃えた後の中身は食べられるので無駄がない

 この方法のいいところは、危険が少ないこと。引火点が高いのでひっくり返っても簡単には引火しません。火力は小さいですが、灯りとしては充分に使うことができます。
 この理屈を知っていると、非常時に「ある温度で液になる燃えるもの+芯」で簡単に小さな火を作ることができますので、どんなものが燃えるのか、興味のある方はいろいろと実験してみてもよいのではないかと思います。

リップスティックも非常時には使うことができる。ただし燃焼時間は短い

自分のデータを知ろう

 防災用品を準備するときに必要となるのは自分自身のデータです。
 例えば、自分が一日にトイレに何回行くのか知っていますか。その回数や大小の回数によって準備すべき簡易トイレの量が変わります。
 また、一日にどれくらいの水分を取るのかによって、準備すべき水の量も変わります。飲む水の量だけで無く、料理に使う量も含めて考えなければいけません。普段料理をしない人は意識しづらいかもしれませんが、味噌汁や料理などでどれくらい水気を取っているかを一度調べてみてください。
 国が一応の基準は示していますが、この基準で準備すると、余ったり足りなかったりと言った状況が間違いなく起こります。「標準的な人」はデータ上にしか存在しないのです。
 例えば、水は成人が一日に必要な量は最低3リットルとされていますが、よく水を飲む人や夏場に汗をかく時期であればこれでは足りないでしょうし、あまり水分を取らない人や冬場の汗をかかない時期であれば、必要とされる最低量は減ります。塩辛いものが苦手な人は、食事が塩気の強いものであれば水の量は増えるでしょうし、その逆もあるでしょう。
 準備するに当たっては、自分のデータを取って、それに従っていろいろなものを準備しておくのがあなたに一番あっている防災と言うことになります。
 例えば「非常食」。とにかく準備したものは一度食べてみること。どうやって作るのか、どれくらいでどんな感じになるのか、味付けはどうか、何よりできあがりが自分の好みかどうか。これらがわかっていないと、いざというときに食事でこんなはずではと落ち込むことになります。災害避難後の生活では、それまでの自分の生活の質をいかに落とさずにすむかが大変重要になりますが、その中でも特に重要と考えているのが食事と排泄です。生活の質を落とさないためにも、あなたが普段どのような生活をしているのか、そして一日に何をどれ位使用しているのかについて、一度しっかりと確認してみてくださいね。

じゃがりこサラダ再び

 じゃがりこ、というとカルビーさんのジャガイモを使ったお菓子です。

 これを砕いてお湯を加えて混ぜると、ほくほくのポテトサラダができるということで、最近の防災ネタでは割とよく使われているもので、当研究所でも、以前「やってみた」シリーズの一つとして作ってみたこともあります。

 で、今まで気がつかなかったのですが、先日とあるコンビニで小さな袋に入ったじゃがりこを発見してしまいました。
 しかもファスナー付き!
 じゃがりこサラダを作るときにネックになるのが紙の入れ物でした。じゃがりこを砕く関係上、どうしてもパッケージが傷んでしまって場合によっては水漏れがしてしまうようなことがありました。でも、ビニール袋でファスナーのついたこの袋タイプのじゃがりこであれば、きっとじゃがりこサラダを作るにもたやすくなるに違いない!

 というわけで、じゃがりこサラダを作ってみることにしました。

 封を開けて中を確認し、さっそく袋をもんでじゃがりこを砕きます。
 今回は諸般の事情で水で作ることにします。これだと水漏れがしないのでしばらく置いても大丈夫・・・、と思ったら、微妙に水漏れしてました。

 思ったよりも袋が弱いようで、底のマチのつなぎ目部分から漏っているようですが、こんな風に使うことを想定されてはいないと思うので、これは仕方がありません。滴がちょっとずつといった感じだったので、タオルにくるんでおいておきます。


一仕事終えて、3時間弱。口を開いてみると、水気をしっかりと吸い込んだじゃがりこがありました。普通にスプーンですくって食べましたが、いつものとおり美味でした。やってみた感じ、袋よりも紙容器の方が強度はありそうな感じです。ジップロックがあれば、その中で砕いて作ればいいのかなと思いましたが、そうすると今までの紙容器の方が安くつきそうな感じがします。
 持ち運びができて、ちょっとずつ食べられるというコンセプトで作られていることを考えれば、これでサラダを作ることは想定されていないでしょうから、気をつけてやるしかないのかなと思います。ただ、袋タイプは容器がコンパクトなので非常用持ち出し袋に入れたり持ち歩くのにはかなり便利です。
もし見かけたら、一度買って試してみてもいいと思いますよ。

リップスティックでろうそくを作ってみた

 寒くなってくると空気が乾燥してきます。唇が切れることも多くなるので、リップスティックは必需品。というわけで、今年も仕入れてきました。

 パッケージを眺めていると、ふと気になる「ワセリン」という文字。ワセリンは石油から作られている保湿剤の一つなのですが、パラフィンの一種、つまり燃料になる材質でできています。
 ・・・もしかして、真ん中に芯を刺したらろうそくが作れるんじゃなかろうか。
 というわけで、試しにろうそくを作ってみることにしました。

 材料は、リップスティック、芯用のたこ糸、そしてはさみ。

 リップスティックは案外と柔らかいので作業はスティックケースの中でやりたいところですが、中央部に押し上げるねじがついているので、ケースから頭を出しておきます。
 お試しなので芯となるたこ糸は短めに切ります。そのままだと糸が太すぎるので、撚ってあるうちの一本を抜き取って芯にします。

 リップスティックの中央部に押しピンで穴を開け、そこにたこ糸を押し込むと、
なんとなくそれっぽいものができました。

 火をつけてみると・・・。

 ちゃんとろうそくになってます。火力はろうそくよりも強いです。
 ただ、その分リップスティックの消費も早い感じで、1分経たないうちにパラフィンが流出を始めました。
 メントールが助燃剤になっているのでしょうか?


 ともかく、いちおう予測通りろうそくにはなりました。火を消して試してみましたが、いちおうリップスティックとしても使えました。
 結論ですが、リップスティックはろうそくとして使うことは可能そうです。ただ、燃焼速度が速いので、ろうそくとして使うときにはケースから出して使った方が安全かもしれません。目方が少なく燃焼時間が短いので、あくまでもろうそくがなくて明かりが欲しいときの一つの応急的な手段として使えるかもしれないといったところです。
 他にもワセリンが含まれているものは燃料として使えるはずなので、また近いうちに試してみたいと思います。
 あ、もしもやってみようという奇特な方がいらっしゃる場合には、自己責任であることと、周囲の安全確保をしていただくようにお願いいたします。

防災缶を開けてみた

 以前に名古屋市港防災センターに出かけたとき、受付で売っていたので買っていた「防災士が考えた防災缶」。
 パッケージには、中にろうそく、マッチ、手袋(白手袋、ポリ手袋各1)、マスク、ホイッスル、ビニール袋が入っていることが書かれています。
 非常時に使う用として大事に保管していたのですが、具体的にどんなものが入っているかどうしても気になったので開けてみることにしました。

 ビニールの開閉自在の蓋と、その下は缶切り不要のプルトップがついています。

 これを引っ張って開けてみると、中はこんな風になっています。

 品物を取り出してみると、こんな感じ。

手袋が軍手ではなく白手袋。軍手だと嵩張るからだと思われる。

 当たり前ですが、缶の外側に書かれていた内容物がきちんと納められています。
 ただ、イマイチこれらのアイテムをどういう風に使うのかがピンときませんでした。パッケージの説明にはそれぞれのアイテムをどんな風に使うのかが書いてあるのですが関連性がよくわからない。どのアイテムも被災後に使うものではあるのですが、それぞれ使う時点が異なるアイテムが一緒に納められているような気がします。
 以前に防災ポーチを作ったことがありますが、そちらは「被災してから避難するまでのアイテム」という明確な設定があったのですが、防災缶はいろいろなシーンに思い出して使ってねといったイメージ。
 もちろんいらないものは入っていませんし内容物的に腐るものも入っていませんので、缶が駄目になるまでは保管もしっかりとできそうです。
 で、これらのアイテムを見ていて、うちの研究員が首を傾げて一言。
「このマッチ、どうやって使うんですかね?」
 ・・・とりあえずはそこから説明が必要そうです。

水を確保する

 防災グッズについては本当にさまざまなものがあり、何から揃えればいいのか非常に目移りします。ですが、どうしてもこれだけは準備しておいてほしいものを一つあげろと言われると、私は水をあげます。
 他のものは代用品がいろいろとあるのですが、こと水に関して言うと代用品がないのです。ついでに書くと、非常食は基本的に乾燥しているものが多いため、アルファ米のように戻すにしても、乾パンやクラッカーのようにそのまま食べられるものでも、どちらにしても水は必要となります。
 飲用だけではありません。けがをしたときの傷口の洗浄にも、手や顔を洗うのにも、調理、洗濯。掃除など、すべての生活の基礎に水が存在するのですが、この水を作り出そうとすると非常な困難が伴うのです。
 最近は高性能な浄水器がいろいろと登場していますが、マニュアルをよく読んでみると化学物質の濾過はできなかったり、泥水や海水が使えなかったり、いろいろと制限があります。
 水を作るのであれば、浄水器以外にも、濾過器や湯沸かしの蒸気を冷ましたり、夜露や雨を集めたりといろいろとやり方はありますが、どれも非効率的です。
 水道が破損して使えない場合には、井戸を頼るしかありませんが、使っていない井戸だと、水が痛んでいないか、汚染されていないかをしっかりと確認しておく必要があります。
 そんなこんなを考えていくと、結論として水は水のまま確保して保管しておくのが一番早いし手間もかからずコストも安いということがわかりました。
 宅配水のウォーターサーバーを使っているのなら、予備の水タンクを一つ準備しておくとか、2リットルのペットボトル6本組みを準備しておくとか、何らかの形で水を保存しておくといろいろと使えます。
 面倒くさければ水道水をペットボトルに詰めて密封すれば、数日は持たせることができますし、18リットル入りの灯油缶を水専用として準備しておくのもありでしょう。
 水道に関して言えば、被災してもすぐには止まらないことが多いですから、被災したときにいかに水をためておくかを考え、道具を準備しておくことも忘れないようにしたいですね。
 また、機会を作って、普段自分たちが一日にどれ位の水を使っているのかを調べてみるのもいいと思います。節水できるところはするとして、一日に必要な水の量を調べて、それを三日分準備しておけば、とりあえずはなんとかなります。日常生活で仕事や学校などにいるときには、さすがに大量の水を持ち歩くわけにはいかないと思いますが、200mlくらいでもいいので、いざというときに備えた飲用水を準備して持ち歩くようにしたいものです。


 普段どれ位水を使っているのかを知り、準備しておくことは自分の安心にもつながります。機会を作って、是非一度自分や家族の水の使用量と最低限必要な量を調べ、知っておくようにしてくださいね。

被災した外国人の強い味方「voiceTra」

 海外から仕事や旅行で日本に来る方は増えているようです。
 ただ、残念ながら日本語がわかる状態で来る人は少ないのが実態で、そういう人たちが被災したときの意思疎通をどのようにすればいいのかという問題があります。命からがら避難所に避難してきたのに、言葉が通じないと避難してきた本人も、受け入れる避難所の人も途方に暮れてしまいます。普段から地域の人たちとあいさつや会話をしている人たちばかりならいいのですが、勤務時間や生活習慣の違いで地域とはほとんど接触のない人もいます。
 そういう人たちとのコミュニケーションツールの一つとして、スマートフォンを使った翻訳アプリ「VoiceTra」があります。
 情報通信研究機構(NICT)が作成したスマートフォン用のアプリで、Android用、iPhone用のどちらも準備されており、アプリ利用料は無料となっています。通信費はかかりますのでそこは了解しておく必要がありますが、およそ30種類の言語に対応しており音声に変換されるもの、文字に変換されるものがあります。災害時に通信環境が使えないと駄目ですが、通信環境が無事、もしくは復旧すれば強い味方になってくれます。
 災害時だけでなく、平常時でもちょっとしたコミュニケーションに使うこともできますので、興味のある人はインストールしてみてもよいかもしれません。なお、ダウンロードやアプリの利用についてはあくまでも自己責任でお願いします。
 ちなみに、東京消防庁はこのアプリをベースにした救急用VoiceTraを現在運用をしています。作成は消防庁消防研究センターだそうです。
 VoiceTraについてのより詳しいことはリンク先(総務省)(情報通信研究機構)をご覧ください。