電源を確保する

手軽な電源の乾電池。非常用持ち出し袋に入れるときには消費期限に注意が必要。

 電気のない生活というのは、今の日本で生きていく上では非常に困ることが多くあります。そのため、災害対策を考えるときには自分がどうしても必要な電化製品とそれに必要な電源の確保というのが結構重要な問題になります。
 例えばスマートフォンがどうしても必要だと考えるなら、スマートフォンが充電できるモバイルバッテリーや充電器、蓄電池を用意しておく必要がありますし、パソコンのような精密機械が必要な人は、充電池でも正弦波のものを選んでおかなければいざというときに使えないということになってしまいます。
 食料品などの備蓄は3日から1週間必要とされていますが、最近のライフラインの復旧状況を考えると食料品と同じく3日から1週間程度は電源についても確保しおいた方がよさそうです。
 大規模な蓄電池やハイブリッド車のような発電機能を持つ車、または携帯型の太陽電池パネルや風力発電機と蓄電池をセットにしたものを準備しておくと安心です。
 通常と変わらない生活に近づければ近づけるほど電力は必要となりますから、ある程度以上の電力が必要ということになると発電機の方が効率がいいです。ただ、それに使う燃料の保管と供給についてしっかりと考えておかないと発電機はあるのに燃料がないという悲しい事態になってしまいます。例えば最近流行しているカセットガス発電機はカセットコンロとボンベは共用されることになりますので、その分カセットボンベを多めに用意しておく必要があります。また、ガソリンや軽油を使用する発電機では、燃料は定期的に更新をしないと腐って使えなくなることにも留意が必要です。
 自分が必要な電化製品と、それに必要な電力量、そしてその電力量を確保するために必要な手段について検討し、準備しておくことをお勧めします。

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非常用持ち出し袋に一枚「巻きタオル」

巻きタオル。筒にしても使えるしバスタオルとしても使える。何気に便利なタオル。

 「巻きタオル」というのをご存じですか。小学校などの水泳の前後に着替えに使っていた人もいると思いますが、大きなバスタオルで筒にできるスナップボタンがついていて、首から落ちないように上側になる部分にはゴム紐が入れてある着替えもできるバスタオルです。
 「ラップタオル」という呼び方もされるようですが、非常用持ち出し袋にこれが一枚はいっているといろいろと使えます。
 用途通りに身体を拭いたり、この中で着替えをしたり、防寒着になったり、広げるとちょっとしたタオルケットになったりもします。丸めれば枕、紐や洗濯ばさみを使えば間仕切りや簡易カーテンにもなりますし、見せたくない洗濯物を干すときのカバーとしても使えます。
 お値段もそんなに高くなく、非常用持ち出し袋から溢れてしまうような大きさでもありませんので、非常用持ち出し袋に一つ入れて置いてはいかがでしょうか。
 非常用持ち出し袋に入れる前には、一度サイズが自分に合うかは必ず確認してくださいね。また、子どもさんの非常用持ち出し袋に入れる場合には、定期的にサイズ合わせすることをお勧めします。
 身体の大きさがきちんと隠れるサイズの巻きタオルでないと、いざというときにこまったことになりますから、それだけはご注意を。

体温調整に注意する

 暑くなったり寒くなったり、着るものに悩む季節です。
 朝は長袖、昼は半袖、でも夜はまだ厚手の長袖などという、暑さに慣れていない身体と、急激な温度差で体温調整がうまくいかず熱中症などのダメージを受けやすい時期ですが、今年はそれに顔のマスクが加わって体温の調節に一段と神経を使うことになっています。
 ただ、例年は早めに機械冷房を利用することで快適さを維持してきましたが、3密を避けるという視点から考えると、今年は冷房では無く窓の開放で対応することになりそうですが、そうすると今まで以上に体温調整を意識しておく必要がありそうです。
 例えば、クール素材の下着やシャツなどを使うことで体感温度を下げることができますし、濡れタオルや適温の飲み物などを上手に使えばある程度のコントロールはできそうな感じです。
 ところで、高度や風速によって感じる温度が変化することはご存じですか。
 よく言われることですが、高度が100m上昇すると気温は約0.6℃下がります。そのため、標高の低いところと比較して、標高の高い場所の気温は間違いなく下がることになります。
 また、風は体温を奪います。風速1mで体感温度が1℃下がるといわれていますので、例えば防災センターの強風発生器などの体験では、外が暑くても寒さを感じることができるということになります。
 災害で一番怖いのは全身がずぶ濡れになった後で風通しのいい場所にじっとしていることで、これは水の気化熱と風による体感温度の低下とで夏でも簡単に低体温症を招くことになります。
 大雨や水害などでずぶ濡れになったらとにかくすぐに乾いた服に着替えるように言われるのは、体温の低下を防ぐためです。
 もしも体温が急激に上昇したり降下したりするような状態であれば、額や脇の下、鼠径部などの太い血管が集中している場所を冷やしたり暖めたりすることでその人の体温をある程度調整することができます。
 また、ずぶ濡れになってどうしても乾いた着替えがない場合には、濡れた服の上からビニール袋をかぶることで気化熱と風による体温の低下を防ぐことができます。
 これから先、体温の調整が難しい時期に入ります。早めに服の脱ぎ着や気化熱、水や風の調整をすることで快適と感じる体温を維持できますので、自分の体調管理には気をつけるようにしてくださいね。

じゃがりこサラダ・その後

 カルビーという食品メーカーの「じゃがりこ」というと、最近では砕いてお湯を注いでまぜまぜするとポテトサラダのできあがり、ということで防災業界では結構メジャーになっているお菓子で、当研究所でも何度かじゃがりこサラダとして登場しています。
 個人的にじゃがりこが好きなこともあって、街で新製品を見かけるたびにそのまま食べて、それからポテトサラダへのなりやすさとそのおいしさを試しているのですが、先日お店でこんなものを見つけました。

 最初は「じゃがりこの新製品かな?」と思っていたのですが、よく見ると「じゃが『湯』りこ」と書いてありました。思わず二度見して買ってしまいました。

 説明書きによると、このままお湯を注いで3分間待ち、まぜまぜするとおいしいポテトサラダができあがるようです。

 注意書きには「かたさが特徴の商品です」とあり、そのままでも食べられると考えて一つ食べてみましたが、じゃがりこサラダ味+マヨネーズ風味といった感じで、そのままでもおいしく食べられます。
 また、標準タイプのじゃがりこだと砕く手間が必要なのですが、メーカー推奨でお湯を注げばいいだけなので容器を傷めずに済むのは非常にありがたいです。

気分はカップ麺。容器が壊れる心配しなくていいのは妙に安心感がある。

 お湯を注ぎます。内側に線が引いてあるので、そこまで何も考えずに注げばいいだけ。標準タイプのじゃがりこだと、少しづつお湯を加えて混ぜながら作ることになるので、非常に親切です。

お湯に浸かっていた部分は簡単に砕けるが、そうでない部分は固いまま。

 3分経過後、蓋を開けてみると、お湯に浸かっていた部分はとろっとしていますが、お湯に浸からなかった部分は固いまま残っています。固い部分をとろっとした部分に混ぜ込んで少し待ち混ぜてみると、とろっとしていたものが上質なポテトサラダにある「ぽくぽく」な状態に変わっています。

出来上がりは「ポテトサラダ」と宣言しているとおり。通常のじゃがりこよりも素でポテトサラダになっている。

 できあがりは、いつものじゃがりこサラダですが、味はポテトサラダ。非常においしくいただけました。
 こういった遊び心のあって実用的な商品づくりはさすがだなと感じましたが、これ、定番商品になるんでしょうか?
 ちなみにお値段は普通のじゃがりこと変わらなかったと記憶していますが、違っていたらごめんなさい。
 もし見かけたら、一度買って作ってみてください。普通のポテトサラダができることにびっくりすると思いますよ。

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じゃがりこサラダ再び(過去の記事に飛びます)

お菓子でおかずを作ってみる1(過去の記事に飛びます)

ローリングストックと賞味期限

アルファ米いろいろ
非常食は自分にあったものを選びましょう

 一般に防災食や非常食と言われる食品は賞味期限が最低でも1年以上長いものだと20年などというものまであり、自治体の備蓄としてそれなりの数が保管されています。
 ただ、これら非常食の備蓄を普通のご家庭でやろうとすると、ネックになるのが調達先とお値段と保管。最近はインターネットの普及や防災意識の高まりからそれなりに買えるようになりましたが、単価はやはり高く、そして普段使いのものと比較すると味も少しだけ劣るかなというものが多いです。
 例えば、アルファ米は1人前1食が約300円しますが、3食で900円程度。無洗米なら2kgで約1,000円で、1人で食べるなら3食1週間は持つと思うので、単価としてはアルファ米はかなり割高になると思います。
 また、レトルト食品も常温保存できる普通のものは約1年なのに対して防災用のレトルト食品は3年から5年は保存できますが単価は倍近く違います。
 費用対効果で考えるのであれば、普段食べているものを少しだけ多めに調達しておいたほうが効率がいいという結果になってきます。
 また、保管期限が長くなると、おうちでの管理が忘れられてしまうという危険性があります。賞味期限が長いと安心してしまって、非常用持ち出し袋の中で押し入れの奥にしまい込まれて忘れられてしまい、結果として全部駄目になるということが本当によくあります。

 防災食や非常食はその性格上軽く、持ち運びしやすく、そして保管しやすいという特性があります。妙ないい方ですが、一食二食であれば食べるのにわくわく感もあって楽しめるかもしれないのですが、普通のおうちで考えたとき、そういった非常食だけで被災後の食事を補うという考え方は止めた方が無難です。

 被災時に普段と変わらないものを普段通り食べることができるというのは心身の平穏にとって非常に優れた効果をもたらしますから、家庭での備蓄は普段使っているものを少し多めに調達して使ったら補充するというローリングストック法がお財布にも心身にもやさしいということになります。


 昨今の新型コロナウイルスでは、マスメディアによる「○○が足りない」という報道が出るたびに全国的にその「○○」が不足して買えなくなり、インターネットではとんでもない金額で売られていたりすることも日常茶飯事となってきました。
 最近ではホットケーキミックスやパスタ、パスタソースや袋麺などが手に入りにくくなっていますが、本当は何も無いときにこそ少し多めに備蓄しておいて、いざというときに慌てて買い占めに走らないようにするのが理想です。
 目安は、以前は3日分、最近は1週間程度とされていますが、現在の新型コロナウイルス騒動を見ていると半月程度は備蓄しておいたほうがいいのかなとも感じます。

 とはいえ備蓄量については各ご家庭の保存能力や使用量によってかなり異なりますので、あなたのおうちでの備蓄可能場所と消費量を考えて準備をしてください。

 最後に、これは余談ですが都会にないからといって田舎のおじいちゃんおばあちゃんに不足している物資をおねだりすることもできれば止めて欲しいなと思います。田舎は元々物流量少なく供給量も少ないので、特定の物資が無くなった場合、供給は大消費地である都会地優先となるため、田舎への供給再開はかなり遅れるのが現実です。
 そうすると、本当にそれを必要としている人に物資が供給できません。都会には都会の物流、田舎には田舎の物流があることをご理解いただき、田舎からの物資はお米や野菜など田舎で生産しているものに限定していただけるといいなと思います。

救急セット、あなたは使えますか

救急セット
救急セットの一例。はさみや毛抜き、ピンセットなどの医療器具は思ったように使えるかどうか、あらかじめ確認して置いた方がいい。

 非常用持ち出し袋に入れておくことが推奨されているものの中に救急セットがあります。さまざまな防災の本や研修会でこの中身について調べてみるのですが、多くは「あなたが必要とする救急時に使えるもの」というすごくおおざっぱなくくりで語られることが多いようです。
 イラストを見ると、包帯や三角巾、カット綿、絆創膏などの外傷用と普段使っている常備薬があればいいのかなと感じますが、いざ準備する場合には個別に揃えるのでは無く、ドラッグストアやインターネットなどでセット化された救急セットを買うことが多いと思います。
 ここで大切なのは、救急セットには考え方によっていろいろなものが入っているのですが、それをどう使ったらいいかをあなたが理解できているかどうかです。
 救急セットは、災害時にもし怪我などをしたとき、命を繋ぐために緊急に処置ができるための資機材を入れておくものですから、どんなに便利な道具でもあなたが使い方を知らなかったり、使ったことがないものは役に立ちません。
 必要最低限の応急処置をできる能力を身につけて、その上でその応急処置を実施するために必要な資機材を入れておくことが、救急セットでは非常に重要になると思いますので、取り扱えるようにしっかりと練習をしておくことをお勧めします。
 また、医療用品にはそれぞれ使用期限が設定されていることが多いので定期的な入れ替えについて意識するようにしてください。
 ちなみに、消防庁では「一般市民向け応急手当WEB講習」を公開しています。ネット配信の映像を見て、出される問題を一定以上正答すると、受講証明書も発行されるようになっています。
 日本赤十字社や消防署の行う応急手当の講習会に出かける時間の無い人や何から手をつけたらいいか分からない人は、こういった講習で学習することもできますよ。

一般市民向け応急手当WEB講習(消防庁のウェブサイトへ移動します)

非常用持ち出し袋の点検時期

市販品の非常用持ち出し袋
市販の非常用持ち出し袋。中身の使い方、子どもが理解していますか?

 ある程度までの年齢のこどもの非常用持ち出し袋の中身は、大人用に比べると点検回数を増やす必要があります。
 というのも、月例や成長によって必要なものがめまぐるしく変わっていくので、一度セットして一年に一回の点検では服や下着が入らなくなっていたり、食べるものが変わっていたりして持っているのに役に立たないという事態になります。
 特に乳幼児は週単位で必要なものが変化することもありますから、普段使っているおむつやミルクなどを入れたお出かけセットがあると思いますので、それを帰宅したらすぐに出かけられるようにセットして、非常用持ち出し袋にすることをお勧めします。
 自分で非常用持ち出し袋を持って避難できるくらい子どもが大きくなってきたら、4半期に一度、非常用持ち出し袋の点検をして服や下着が小さくなっていないか、非常食が成長に合っているかを点検して入れ替えていきます。
 基本的に必要なものは大人も子どもも変わりませんから、親子で一緒に点検することで、おうちの防災を勧めていけるといいなと思います。
 また、高齢者の非常用持ち出し袋についても半年に一度でいいので点検してみてください。それまでは持てていた非常用持ち出し袋が持てなくなったり、服や下着などで追加しないといけないものが出ている可能性もあります。
 非常用持ち出し袋というのは普段の生活を維持してくれるための救命袋です。その時々にあった仕様に入れ替えて、いざというときに持って避難できる、中身を確実に使うことができるようにしておいてくださいね。

非常食にこんにゃくを追加してみる

 何かあったときに手軽に食べられるものということで、インスタントラーメンがよく売れているそうです。
 通常時であればそれにさまざまな野菜や卵、肉などをトッピングして栄養のバランスを考えるのですが、被災して食べる非常食として考えたときには、普通の野菜や卵、肉はまず手に入らない状態だと考えていいでしょう。
 そうすると、繊維質やビタミン、カルシウムなどの不足が心配になってきます。切り干し大根や乾燥野菜などをトッピングすればよいのですが、価格は手間がかかっている分だけ普通の野菜よりも高いですから、なかなか非常食のためだけに準備するのは難しいのではないかと思います。
 そこそこの保存期限があって、水で戻さずに済み、繊維質やカルシウムが摂取できるという食品として、こんにゃくを準備しておいてはいかがでしょうか。
 値段もそんなに高くないですから買いやすいですし、糸こんにゃくなら、インスタントラーメンに加えると食感が変わって面白くもあります。また、日本こんにゃく協会のウェブページによると不規則な食事や運動不足、ストレスなどでなりがちな便秘にも効果があるとのことなので、災害後に起きやすい排泄のトラブルにも効果がありそうです。
 他にもこんにゃくにはさまざまな効能があるようで、普段から摂取した方がよさそうな感じがしますので、日常生活に取り入れて、上手にローリングストックしてみてはいかがでしょうか。
なお、こんにゃくは下処理をしないとえぐみを感じますので、災害食として備えるのであれば「下処理不要」とかかれたこんにゃくを選ぶようにしてくださいね。
また、茹でたり煎ったりしなくてもえぐみを消せる処理方法もあるようですので、興味のある方はぜひ調べてみてください。

避難所には何がある?

避難所でよく出てくる体育館。生活するためのものは一切無いのが普通。

 「危険を感じたら非常用持ち出し袋を持って避難所または避難場所へ避難しろ」というのは、災害対策で出てくる基本的な部分の一つです。
 避難場所は文字通り「避難するための場所」なので一時的に避難ができることが条件になっており、学校の校庭や公共施設の駐車場など、露天の場所が指定されていることも多いです。
 では避難所はどうでしょうか。避難所は災害後に家が壊れたり何らかの事情で住めなくなった人が一時的に生活空間を作る場所であり、地域の支援物資の集積所であり、情報や人の集積所にもなっていますが、今回は「避難所で生活するとしたら?」を考えてみて欲しいということを取り上げてみたいと思います。
 まず最初に、あなたはあなたが避難する避難所のことをどれくらい知っていますか。どのようなものが準備されていて、誰が運営して、どのような支援が受けられるのかを知っていますか。
 この質問をして全てにきちんと答えられる状態であれば、可否はともかくその避難所のことを理解できていると言ってもいいでしょう。
 一般的には、田舎の小さな集落ほど避難所として使える施設は日常の生活空間に近くなり、都会で人口の多いところに行けば行くほど過酷な避難環境になると考えて間違いありません。
 田舎で避難所に指定されるのは、たいがい集会所や公民館で、こういったところは畳部屋や給湯施設がきちんと整備されていて、座布団や毛布などもあり、とりあえずはそのまま寝っ転がってもなんとか生活できる資材があることが多いです。

パーソナルスペースを作るための段ボール間仕切りの設営訓練の風景。
この間仕切りさえない避難所がほとんど。

 でも、例えば避難所が学校という場合には、支援物資は何一つ備蓄されて折らず場所貸し状態というところが結構ありますから、雨露をしのぐだけの場所と考えての準備が必要となりそうです。
 つまり、避難すべき避難所の状態によって自分で準備すべき身の回りのものが変わってくるということです。座布団や毛布がある畳敷きの部屋なら、寝具関係はなくてもなんとかなりそうです。でも、タイル張りの床に座るスペースしか無いとうことであれば、敷物や断熱材を用意しておかないと床の冷えを拾ってしまったり、堅い床に寝ることで身体を痛めたりすることになります。つまり設備のある避難所に避難するのであればその部分の準備は簡単にしておけばよさそうですし、設備がない避難所であれば、自分の身を守るためのさまざまな装備も持っておかないといけないということが理解できると思います。避難所に電源がなければ自分でそれも確保しておかないといけませんし、食事や飲料水などは当然準備が必要です。
 避難所の状態を確認して非常用持ち出し袋の準備を整えておくと、いざというときに困ることが少なくなると思います。
 とりあえず、自分が避難しようと思っている避難所に一度歩いて移動してみて、避難所ができたらどんな状態になるのかについて確認をしておいてくださいね。

吉賀町で作っている非常食のご紹介

 非常食というと乾パンやアルファ米が有名ですが、缶詰のパンも存在しています。
 パン・アキモトさんのパン缶が有名ですが、これは阪神淡路大震災のときの経験を元に作られたそうで、今ある缶詰パンの元祖といえるかもしれません。

 ところで、先日地元のスーパーで見たことのないパンの缶詰がパンコーナーの端っこに置かれていることに気づきました。種類は3種類。保存期間は5年ということで、アルファ米と同じくらい保存ができるようです。

販売者ではなく製造者になっているため、このパンの缶詰はよしかの里で
製造されていることがわかる。

 製造元は、「よしかの里」さん。島根県吉賀町にあるNPO法人です。
 販売元ではなく製造元ということなので、「よしかの里」さんで製造していると思われます。
中国新聞デジタル版の記事によると、2019年11月から製造を開始しているようで、製造前には製造するための機械の導入でクラウドファンディングもされていたようです。1個460円という値段は、パンの非常食としては割とお手頃だと思います。
 ウェブサイトに写真は出ているのですが、残念ながら現在ネット通販はされていないようです。ただ、ウェブサイトに掲載されている連絡先から調達はできるかもしれませんので、興味のある方は連絡してみてはいかがでしょうか。

非常食にはお約束の伝言ダイヤルのかけ方も記載されている。
下の部分には吉賀町の名前とロゴ(?)も載っている。
缶切り不要で缶が開けられるようになっている。

 また、もし近くのスーパーや道の駅で見つけたら、ぜひ一つ買ってみてくださいね。
 ちなみに、調達はしましたがいろいろあってまだ実食していません。また実食したらどんな感じなのかをご報告できればと思います。