昨日トルコで大きな地震が二連続で起きたようで、大勢の方ががれきの下敷きになっているようです。現地では救助活動が続いているようですが、一人でも多くの方が助かることを願っています。
あまり知られていないようですが、実はトルコも日本と同じように周囲を複数の大陸プレートで押し合っている地震の多い地域です。
ただ、あまり耐震化は進んでいないようで、ひどい地震になると建物が崩れてしまう状況があります。
耐震化が進んでいる日本ですが、同じ規模の地震が起きたら、恐らく同じように倒壊する建物が多いのではないでしょうか。
特に昭和の高度成長期に建てられた家屋は柱の大きさに比べて屋根が重い構造になっているものが多いので、衝撃や揺れで柱が重さを支えきれずに折れたり倒れたりしてしまうようです。
家具などの地震対策をしていても、肝心の建物が耐震化されていない場合には、家具もろともつぶれてしまう可能性がありますので、建物が地震に耐えられるのかどうか、市町村が行っている耐震診断で確認してみてください。
もしも耐震性がない場合には、いざというときにすぐ動けない場所、寝るところと、お風呂、そしてトイレだけでも地震に耐えられるようにしておきましょう。
中にいる人がすぐに動くことができる店舗などでは、脱出路を確保したうえで揺れたら外へ逃げるというのも手です。ただし、外の安全が担保されているという条件になるのでご注意ください。例えば、その店舗の屋根が瓦だったりする場合には、屋根から落ちてくる危険性があるので対策が必要となります。
地震は発生するまでにどれくらいの手を打てているかが勝負です。
地震が起きた時には、それまでの準備で勝負がつきます。そして、地震は起きないと思っていても、日本という地域の特性上、地震はどこでも起こりえます。
地震への備えは、内閣府防災をはじめさまざまなウェブサイトで紹介されていますので、自分の備えがどうなっているのか、そしていざというときに命を守り、生き残ることができるのかをしっかりと確認しておいてください。
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地震対策、何からしよう(前編)
地震対策で困るのは、地震はいつ起きるのかわからないということです。
地震以外の災害はなんらかの形で予兆があるのですが、地震だけは突然やってきますので普段の生活の中で備えをしておかないといけません。
地震対策は、本気でやろうとするとかなり費用も時間もかかりますので、何をどこまでやるのかということを考えながら作業を進める必要があります。
大きく分けると、お住まいの建物と、その建物の中身を分けて考えることになりますが、今日と明日の二回に分けて対策方法を考えてみたいと思います。
1.建物の耐震強度を上げる
まずはお住まいの建物の耐震診断をしてもらうところから始めてください。
もしお住まいの建物が建築から10年以上経っているのであれば、一度確認してもらっておいたほうがいいと思います。その結果、問題なければ安心ですし、倒壊する危険性があるのであれば、耐震補強工事をすることになるでしょう。
自分が保有する家の場合には、耐震化工事を行うことが一番無難ですが、予算の都合上難しい場合には、居間や寝室など、過ごす時間が長かったり、揺れたときにすぐに動けない状況になっている場所だけでも補強しておくことをお勧めします。
屋根を軽くしておくこともお勧めです。
トイレや風呂など柱の多い場所に逃げろという話もあるのですが、これらの場所は閉じ込められやすい場所でもありますので、そこを避難先として考えるのであれば、閉じ込められたときに扉や壁を壊せるような道具を備え付けておいた方がいいと思います。
次に、借家の場合です。
アパートやマンションといった高さのある建物の場合、耐震化がされていないと高確率で1階は潰れます。
耐震化されているのであれば問題ないのですが、そうで無い場合には、居住者に打てる手はそこから引っ越すくらいしかありません。
いくら家具などを地震対策していても建物そのものが潰れてしまうとどうしようもないので、まずは潰れない建物に引っ越すところから考えてください。
借家を選ぶときも同じで、耐震化されていること、または平屋建てで屋根が軽いことなどを選ぶ基準にすると、強い地震の時でも建物は崩れにくいです。
2.家具などを固定する
建物が崩れなくても、家の中で家具などの下敷きになってしまうと大けがをしたり死んでしまったりしますから、家具などが倒れてこないようにしておく必要があります。
一番いいのはなるべく物を置かないことです。ものがなければ、そもそも下敷きにはなりません。
それから、作り付けの家具であれば転倒する危険性はありませんから、どうしても家具が必要な場合には家を改装して作り付けの家具にしてしまうというのも一つの手でしょう。
また、重心の低い家具にすれば、家具の転倒で下敷きになる可能性はかなり低くなりますから、最低限のものをなるべく重心の低い家具に納めていくというのが基本と考えてください。
さて、そうは言っても家具を全部処分して入れ替えるというのも実際には難しいものですし、捨てるのも大変です。今度は背の高い家具でできる耐震化を考えてみましょう。
まずは配置する方向です。
その家具が揺れたときにどの方向に向けて倒れるかを考えてみます。その倒れる方向に人がいると潰れてしまうので、人がいない方向に倒れるであろう面を向けましょう。
例えその家具が固定してあったとしても、引き出しが飛び出したり、観音開きの扉の場合には扉が開いて中身が散乱するといったことが起きますので、倒れる面は人のいる方向に向けないことです。
次に、可能であればその家具が動かないように固定しておきましょう。
固定の方法としては、壁や床、天井などにビスで固定、突っ張り棒、転倒防止ジェルやチェーンなどがあります。
持ち家なのか借家なのかによって使える方法、使えない方法があると思いますが、複数の手段で止めておくと、さまざまな揺れに耐えられるのでお勧めです。
固定する考え方の基本は「動き出す支点をなくすこと」です。
動き出す支点がなくなれば簡単には動かなくなるので、どこを止めれば動き出さないかを考えて、効率的に固定を行いましょう。
また、完全に固定できない場合もあると思いますが、その場合にもあきらめず、仮止めでもいいので固定をします。
この場合の考え方は、そこから逃げる数秒を稼ぐということです。
倒れる方向に気をつけて家具が配置されていれば、稼げる数秒で充分に逃げることは可能ですから、向きはしっかりと意識してください。
最初は自宅の耐震強化から
災害対策としていろいろと備えをしなくてはと言われることが多いですが、一番最初にしないといけないことは、建物の耐震補強で、以前にも少し触れたことがあります。
あなたのお住まいの耐震補強は大丈夫ですか? そして、お勤め先はどうでしょうか?
他の災害と異なり、地震だけはいきなりやってきます。そしてその時に一番多い死因は「建物や家具の下敷きによる圧死」なのです。
建物の耐震補強と家具の転倒防止。これをしておくだけで、生き残れる確率はかなり高くなります。現に大雪に耐えられるように強固に作られた家の多かった東日本大震災では地震における建物の倒壊は殆ど無く、死因の第一位も津波であることがわかっています。また、先頃震度6強の地震に見舞われた新潟や山形でも、家屋の倒壊はほとんど無かった結果、死者も出ていません。
そのため、災害対策の一番最初に建物の耐震補強を行うことがあげられているのです。
一般的な話になりますが、住家の場合、1981年以前の建物であれば、まず耐震診断を受けておきましょう。
1981年以降の建物であればより厳しくなった耐震基準を元に建てられていますのでそこまで急ぐ必要はないのですが、1981年以前に建築された建物の場合は地震に対しての備えがさほど考えられていなかったですので、建物の補強は必須となります。
石西地域の各自治体には比較的古い建物が多いので、耐震診断や耐震補強に関する補助が用意されています。
災害対策を行うのであれば、まずは建物の耐震診断、そして耐震補強を行うことです。
益田市役所、津和野町役場、吉賀町役場の実施内容へのリンクをしておきますので、まずは内容を確認してみてください。
もしも高額になって困った場合には、例えば寝室や居間だけ耐震補強するやり方や、建物倒壊の時に逃げ込めるシェルターなどもあります。
まずは生き残ること。そこから災害対策を考えてみてください。
おうちの耐震化あれこれ
1981年5月31日以前に建てられた家は危険なので耐震化診断をしてください、という話がよくあります。
これはこの時点で建築基準法が変わったために、これ以降に建てられた建物はより耐震に優れているからです。
阪神淡路大震災ではかなりの家屋がつぶれてしまいましたが、これは古い家屋が直下型地震の衝撃に耐えられなかったことが原因で、比較邸新しい建物が多かった東日本大震災や大阪北部地震では殆ど家は倒壊しなかったという話があります。
でも、耐震化というと真っ先に予算のことが頭をよぎるのでは無いでしょうか。場合によっては立て替えた方が安くなると言う場合もありますから、なかなか耐震化の前の耐震調査にすら踏み切れないというのが実情です。実際には耐震診断に対して行政の補助がある場合が多いです。
益田市 https://www.city.masuda.lg.jp/soshiki/39/detail-31446.html
津和野町 https://www1.g-reiki.net/tsuwano/reiki_honbun/r129RG00001117.html
吉賀町 https://www1.g-reiki.net/yoshika/reiki_honbun/r128RG00000838.html
予算の都合を考えたとき、全部を耐震補強しなくても普段自分がいる場所だけ耐震補強するという方法があります。
起きているときには安全な場所に逃げられるとして、寝ているときには気がついたら揺れていたという場合に備えて、自分がすぐに動けない状況になっている場所だけ補強すれば、経費は格段に下がります。
この場合には、建物の一部を耐震補強する他、耐震シェルターを埋め込むという方法もあります。
また、それも高いという話になると、寝ている部分だけ耐震化するという方法もあります。
これは耐震ベッドと呼ばれるもので、フレームがベッド全体を覆っていて建物が崩れてきてもそのフレームが支えてくれるというものです。
いずれにしても、部屋の中に何もおかないことにしたとしても、天井や梁が落ちてきては助かりませんので、古い建物で生活する以上、何らかの自衛手段はとらないといけません。
いろいろな耐震化の方法が開発されていますから、調べてみて自分にできる耐震化を実施してくださいね。
※耐震シェルターは東京都のホームページにリンクしています。
※耐震ベッドは、一例として耐震ベッド製作を行っている(株)石川製作所様のサイトにリンクしています。