地震と準備

建物が耐震化されていても家具を固定していないと揺れで倒れてつぶされてしまう。そなエリア東京にて。

 他の災害と違って、地震は発生した時には勝負がついています。
 平時に家具を固定したり、建物の耐震補強をしたり、逃げるのであればどこへ逃げるのかなどの行動決定をしておくなど、しっかりとした備えが必要となります。
 それができていないと、地震が起きた時に倒れてきた家具や倒壊した建物のの下敷きになって圧死したり、大けがをしてしまったりします。
 重要だけれども、急ぎではないと考えている人が多い災害対策ですが、地震に関することは重要で急いで対策をしておいたほうがいいと考えます。
 誤解も多いのですが、地震そのもので死んでしまうことはほとんどありません。地震によって起きるさまざまな二次的な要因で人は怪我をしたり死んだりしてしまうのです。
 つまり、備えることができて、備えればけがや死ぬ危険性を低くすることができる災害なのです。
 あなたのお住いの建物や職場は、地震に対して対策をとっていますか。
 いざというときに怪我したり死んだりしないために、きちんと対策をとっておくことをお勧めします。

睡眠をしっかりとれる準備をしておこう

ある程度快適な就寝環境?

 最近の市販品の非常用持ち出し袋には、かなりの高確率で寝るときに使用するエアマットが入っています。
 これは避難所または避難場所で睡眠をとる必要がある時に床との間に空気による層を作ることで、寝る姿勢を楽にすると同時に床からの冷気を防ぐ断熱と、床に舞っているほこりを吸い込む確立を少しだけ減らせるという効果があります。
 ただ、これだけでは快適な睡眠には程遠く、寝袋や毛布、あるいは布団など自分がしっかりと眠ることのできるための道具を追加しておく必要があります。
 一日だけならエマージェンシーシートでもなんとかなりますが、やはり専用に作られた寝具にはかないませんので、できるだけ快適に過ごすためにもしっかりとした準備をしておきましょう。
 また、避難所では防犯上夜間も照明がついているので非常にまぶしいですし、周囲の知らない人のさまざまな生活音が聞こえると寝にくいところがあります。
そこで、アイマスクや耳栓などを準備しておくと、寝るときにある程度の快適さは担保されると思います。
 余裕があるなら、自立型のテントを持参しておくと、場合によってはテントを展開して中で寝ることもできるのでさらに快適になります。
 非常時において、給水、食事、排せつと並んで睡眠は自分の体調を保持するために非常に重要なものです。
 平時に、どんな道具なら自分が快適に寝られるのかを調べておいて、非常時に備えて準備をしておいてくださいね。

トイレは我慢しない

簡易トイレは準備するだけではなく、きちんと組み立てて使えるようにする練習も大切です。

人間の三大欲求として「食欲」「性欲」「睡眠欲」があるそうですが、排せつしたいという要求はひょっとしたら、この三大欲求よりも強いのではないかと思うことがあります。
排せつしないという選択肢は存在しないので、トイレは絶対に必要なのですが、実はあまり重要視されていないのかなと思うことがあります。
最近でこそトイレトレーラーの配備が自治体で始まっていますが、自治体はまだまだトイレ問題には取り組む気がないように見受けられます。
でも、トイレは我慢できません。というよりも、トイレは絶対に我慢してはいけません。
体から不要なものを外に出す作業が排せつですので、これを我慢すると体調不良を簡単に引き起こします。
また、避難所など人がたくさんいる場所でその辺にしようものなら、汚物と臭いで大惨事になることは間違いありません。
災害が起きてから仮設トイレが来るまでの間、トイレをどうするかという問題は真剣に考えておく必要があることだと思います。
最近は携帯トイレや簡易トイレにもさまざまなものがありますが、自分が使いやすいものを用意しておきましょう。
そして、できれば便座を使わなくても済むタイプの簡易トイレを準備しておくといいと思います。
というのも、トイレの便座を利用した簡易トイレはたくさん出ていますが、トイレが被災しないとは言えないからです。
トイレが被災すると便座が使えませんから、せっかく準備した簡易トイレが使えないという事態になります。
それに備えて、座る場所付きの簡易トイレを準備しておいてほしいのです。
もちろん避難所にそういった準備があるなら、便座を使うタイプの簡易トイレで問題ありませんので安心して使うこともできると思います。
災害時にはさまざまな問題が起きますが、自分が無事だった場合に最初に直面するのがこのトイレの問題です。
水や食料だけでなく、携帯トイレや簡易トイレについても、3日~1週間程度の準備をしておいて、できるだけトイレの質も落とさないようにしたい

新聞紙とレジ袋

新聞紙とゴミ袋で作る防寒着の一コマ。新聞紙がないとちょっとだけ防寒着にしづらい。

 防災工作の中に、かなりの頻度で登場するのが新聞紙とレジ袋です。
 以前はどちらも普通に家にあるものでしたので、こういった工作を知っていると非常に便利だったのですが、現在あなたのうちにはこの二つが十分にあるでしょうか。
 新聞はとらないおうちが当たり前になりましたし、レジ袋有料化以来、マイバックが主力になってレジ袋も姿を見なくなりました。
 ただ、防災工作では相変わらず新聞紙とレジ袋を使った応急品の作り方をやっていて、自分でもやりながら「準備してなきゃできないよな」と思っています。
 時代とともにさまざまなものが移り変わっていきますので、防災工作としてはおうちに常にありそうなものでの工作を考えていかなくてはいけないのですが、いざというときに使えそうなどのおうちにでもありそうなアイテムというのがだんだんなくなってきています。
 現在だと、アルミホイルやラップなら、ほとんどのおうちにはまだあると思っているのでそういったものでの防災工作をしているのですが、そもそも応急品を作るための資材が家にない状態なわけですから、おうちには正規品をきちんと準備しておいたほうが安心です。
 非常用持ち出し袋にしても、防災備蓄品にしても、必要とされるものはおうちによって違ってくるので、こうすればいいというのはなかなか難しいのですが、トイレと飲料水と食料、それに防寒対策と煮炊きする燃料は共通のテーマですので、おうちの実態にあわせてしっかりと準備しておきましょう。
 防災工作は、あくまでも家にあるもので代替品を作ることが目的なので、備蓄するのにわざわざ代替品を準備する必要はありません。
 もちろん、新聞紙もポリ袋もあればいろいろなことに使えるので、あるに越したことはないのですけれど。

雨水をためる

 地震や台風、水害などで浄水場が被害を受けたり、停電が起きたりすると水道は止まってしまうため、片付けや掃除に必要な水が手に入らずに困ることになります。
 少し前から話題になっていますが、給水管の老朽化も相当ひどくなっているようで、災害が起きるたびに給水設備に大きな損害が出ていることから、生活用水の復旧というのは思ったよりも時間がかかるのかもしれません。
 給水車は基本的に飲料水が主で、生活用水に使うためには量が足りません。また、生活用水を給水車の水で確保しようとすると、給水所から家までの輸送方法がかなり難しいです。
 井戸があればそこからくみ上げて使うこともできますが、停電になったとき、手押しポンプがないとくみ上げができないことになってしまうので、井戸の場合には蓄電池を使うなど、くみ上げができる体制を確保しておく必要があります。
 川や水路の水がきれいであればそちらからくみ上げて使うこともできますが、くみ上げるためのバケツやポンプなどが必要になります。
 手っ取り早いのは、雨水を貯めるタンクを用意しておくことです。
 最近では集合住宅でもうまくやれば設置できるかなと思ってしまうくらいさまざまな大きさや形が出ています。
 建物の構造や雨を貯めるために流す雨どいの状況によりますが、取水できるのであれば、このタンクを据えるだけである程度の生活用水の確保ができますから、検討してみる価値はあると思います。
 できれば藻やボウフラが湧きにくい外観が黒や濃い色の雨水タンクが理想ですが、農業用の貯水タンクでも定期的に藻の掃除をするのであれば大丈夫です。
 このタンクがあると、掃除や洗濯に使う生活用水が確保できるので、生活環境が格段に良くなります。
 また、浄化槽タイプのトイレであれば、当座はこの生活用水でトイレが使えるようになります。
 災害後には、きれいな水はいくらあっても困るものではないので、備えの一つとして、雨水タンクも検討してみてほしいと思います。

発電機と延長ケーブル

 大規模災害ではよく停電が起こりますが、そのための備えはできていますか。
 蓄電池や発電機を備えている方も多いと思いますが、一つ注意しておいてほしいのが、発電機は屋外で使うということです。
 太陽光パネルは屋外の日当たりの良いところに置かないと意味がありませんが、ガソリンや灯油、ガスといったエンジン式の発電機も家の中では絶対に使わないでください。
 当たり前のことではあるのですが、エンジン式の発電機が動くためには燃料とそれを燃やすための酸素が必要となります。
 燃料と酸素は、燃えたあとは二酸化炭素になりますが、屋内では燃やすための充分な酸素が取れなくなるため、酸素が足りなくなってきて不完全燃焼が起き、一酸化炭素が発生します。
 一酸化炭素は無味無臭で非常に強い毒性を持っています。そのうえ、吸った人がおかしいと気がついた時には全身が中毒症状となって動けなくなってしまっていて、そのままだと死んでしまいます。
 不完全燃焼しなければ一酸化炭素は発生しないので、十分な酸素が供給できる屋外で使う必要があるのです。
 特に、最近の家は気密性が高いので、家の中でエンジン式の発電機を動かすとあっという間に一酸化炭素が発生しますから、絶対に屋内での使用はやめてください。
 過去には玄関で動かしていた発電機による一酸化炭素中毒で一番遠い場所にいたそのおうちの方がなくなったという事例もあります。また、毎年停電が起きるとこの発電機による一酸化炭素中毒が起きています。
 ただ、屋外に設置して発電すると使いたい電気器具までコンセントが届かないということも起こります。
 それに備えて、延長ケーブルもきちんと準備しておきましょう。
 延長ケーブルもなんでもいいというわけではなく、供給できる給電量がケーブルによって決まっていますので、その延長ケーブルで自分が使いたい電気を送ることができるのかどうかをきちんと確認しておいてください。
 発電機はどこに設置して、どの電気器具に電気を給電するのか。そのためにはどれくらいの長さの延長ケーブルが必要となるのか。
 何も起きてない普段のときに、おうちの給電計画を作って、実際にうまくいくかどうかを試しておいてくださいね。

食材管理はしっかりとしておこう

思いついて備蓄庫の片づけをしてみた。使っているようでも、期限切れを起こしてしまっていた。

 非常用持ち出し袋や防災ポーチの中に入っているものは割とよく点検するのですが、備蓄庫に入っている食料品はあまり点検していません。
 というのも、我が家では備蓄庫のものはローリングストックということで普段の生活の中で管理しているということになっていて、期限切れは起こさないと考えていたからです。
 もちろん、長期保存できるものばかりなので、あまり気にしていないということもありますが、先般、久しぶりに中の片づけをしてみたら、期限間近、期限切れのものがごろごろと出てきてびっくりしました。
 普段ローリングストックをしていると考えていても、日ごろの調理ではあまり使わないものは、そのまま備蓄され続けます。魚などは普段は生のものを普通に使っているので、なかなか缶詰の出番がないということもあります。
 また、大好きだけど高価でなかなか食べられなかったというのもありました。
 缶詰はともかく、他のものは劣化が進んでいくので、思い付きで消費のディキャンプをすることに。
 「これ、どうやって使う気だったっけ?」と買った当時のことを思い出しながら、調理しておいしくいただきました。

温めて食べるより常温のほうがおいしかったりするものもある。使ってみないとわからない。


 非常用持ち出し袋や防災ポーチの中身は意識することが多いと思いますが、普段使いしているはずの備蓄品も、時にはチェックすることが必要だなと思いました。

台風対策を考える

 毎年毎年大きな台風がやってきますが、どうも今年もその季節になったようです。
 毎年のこととはいえ、台風は季節のものなので、去年どうやっていたかはなかなか思い出せないもの。
 そこで、今日は台風対策についてやっておいたほうがいいことを書き出してみましたので、参考にしてください。

1.屋根とアンテナの点検

 台風は風も雨も強いことが多いのですが、屋根が壊れていたり、瓦がずれていたりすると、そこから屋根全体に被害が広がることがあります。
 屋根が飛ばされてしまうと、家としての居住環境が失われてしまいますので、台風が来る前、というよりも風が強くなる前にきちんと点検しておきましょう。
 テレビアンテナがある場合には、そちらも状態を確認しておいたほうが安心です。

2.雨どいの点検と掃除

 屋根に降った雨を上手に排水するためには雨どいがきちんと流れなければ困ります。
 雨どいの点検をして、もしもゴミがあるようならそれらは全て取り除き、雨がきちんと雨どいを流れるようにしておきましょう。

3.家の周囲の飛びそうなもののお片付け

 家の周りの飛びそうなものを括り付けておくか、屋内に取り込むようしておきましょう。
 よく飛ぶものとしては、物干しざおやごみ箱、自転車がありますので、これらは屋内に取り込むか、地面に倒しておくかして風に当たって飛ばないようにおきましょう。

4.窓ガラスや出入り口の補強をしておく

 窓や出入り口は、開かないようにしっかりと鍵をかけておきましょう。
 割れて中に風や雨が吹き込まないように、ガラス部分には飛散防止フィルムや養生テープによる飛散防止をしておきましょう。
 また、割れた破片が屋内に飛び散らないように、窓側のカーテンやブラインド、障子などはきちんと閉めておきましょう。

5.停電対策をしておこう

 台風でよく起きるのは停電です。充電池の充電を済ませておくことや、カセットガスの準備、電池式ランタンや懐中電灯の電池の確認をしておきましょう。倒れたり飛ばされたりする危険性があるので直火であるろうそくは使わないようにしてください。

6.水の確保

 停電になると、水道も止まることがあります。1日~2日程度の飲料水は確保するようにしておきましょう。

7.避難判断の確認をしておく

 台風が襲来すると、その勢力圏にいる間は基本的に外出できないと思ってください。
 高潮や河川氾濫、がけ崩れがおきる可能性のある場所や普段から強風の吹き付けるような場所にお住いの方は、どの時点で避難判断するのか、避難先はどこにするのか、避難の手段はどうするのかについて事前に決めていることを確認しておきましょう。

 台風自体は数時間から1日程度で影響がなくなることが多いですが、気象情報などを確認し、勢力圏にある間はできる限り外出しないようにしましょう。
 また、事前に公共交通機関は運休や間引き運転、運航打ち切りなどの判断をしていることも多いですので、お出かけの予定がある場合には早めにどうするのかを判断してください。
 年々台風の勢力は強くなっている感じがしますが、対策をしっかりとしておけば何とかなるものです。
 台風情報をしっかりと確認して、ご安全にお過ごしください。

参考までに、台風のメッカである宮古島を管轄する気象庁の宮古島地方気象台が「台風への備え」をわかりやすく説明してくれていますので、よかったらそちらもご確認ください。

台風への備え」(気象庁宮古島地方気象台のウェブサイトへ移動します)

届くのを待つか、取りにでかけるか

 災害後のさまざまな支援が準備されているのに必要な人に届かない、いわゆる「防災のラストワンマイル」というものがあります。
 情報にしても物資にしても、必要なものがそばまで届いているのに必要な人の手元に届いていないということは現在でもあるのですが、特に物資についてはこの傾向が強い気がします。
 行政の支援物資の輸送は、最寄りの集積所までは発災から3日目までにはほぼ集積されているのですが、そこから必要とする避難者や避難所に輸送する手段が確保されていないのでしばらくの間その場に滞留することになります。
 この輸送は、最初は自衛隊、落ち着いてきたら宅配業者や地域の輸送業者というパターンが多いのですが、あらかじめどこに集積しているのかがわかっていれば、各避難所から物資集積所に引き取りに出かけてもよいと思っています。
 ただ、これは誰もが一斉に取りに出かけると収拾がつかなくなるので、自主防災組織など平時から災害対策に取り組んでいるところや、地区防災計画を作っているところであれば、その中でどのように引き取りを行うのかについてを決めておくといいと思います。できれば、それを行政と共有化し、物資の輸送と配布についてできるだけ自動化しておくと手間がかからずに安心して活動ができます。
 大きな災害になると、警察や消防、自衛隊や行政機関の支援車両などの緊急車両以外は被災地内の移動が制限されることが多いです。そのため、支援物資を被災地内で配布するための車両も公的機関のもの以外は制限され、結果として物資が来ないという状況になってしまいます。
 取り決めをして、物資集積所と避難所との間を結ぶ輸送車を緊急車両にしてしておくことで、これらの制限に引っかからずに速やかな輸送が可能になります。
 都会地はともかく、地方ではそれなりに軽トラックなどの輸送手段が地域にある場合が多いですから、それらを有効活用するのは一つの方法ではないかと思います。
 災害に対する支援は、都会と田舎では優先度やしなくてはいけないことが随分と違います。
 それを踏まえたうえで、その地域に応じた災害対応計画を策定しておくことが重要なのではないかという気がしています。

おうちの水害対策

土のうをブルーシートで包んで即席の堤防を作る。土のうだけであれば土砂やごみの流入を防げるし、ブルーシートを敷くと水そのものの流入を防ぐこともできる。

 台風、そして秋の長雨の季節がやってきたみたいですが、あなたの雨と風の対策は進んでいますか。
 もしもあなたが何らかの条件で水があふれてしまったときに浸かってしまう地域にお住いの場合には、家の完全な水没を防ぐため、土のうや水のうの準備をしておくことをお勧めします。
 土のうは、土を入れた袋を積み上げて水の侵入を防ぐもので、ある程度までは水の流入と、土砂やごみが流入してくるのを防ぐ効果があります。
 土のうは重いので、小さいものをたくさん積み重ねるか、あるいはプランターなどを使って重しを作り、ブルーシートを巻き込むことで水を防ぐ効果を期待できます。
 もちろん土のうの高さ以上に水が出てしまったら役には立ちませんが、しっかりとやっておくと水害後の片づけが格段に楽になります。

玄関に積んでいく水のう。直接水に当たると流されてしまうので、玄関の内側など、建物内部の水の流入を防ぐのにつかう。
凹凸に上手にはまり込むので、屋内への水の流入防止には役立つ。ただし入ってくる水の勢いが強くなってくると役に立たなくなる。

 また、土のうと同じようなものに水のうがあります。
 こちらは二重にしたビニール袋を玄関などの扉の内側に積んでいくもので、袋の中の水が玄関の空間に沿って塞いでくれるので、かなりの効果が期待できます。
 ただ、こちらもかなり重いので、事前の準備をしっかりとしておく必要があります。
 吸水ポリマーを使った土のうもあるのですが、こちらは水を吸うまでは簡単に流されてしまうので、水が流れてきてから水に投げ込んでもあまり役には立ちません。
 土のうと水のうのどれをするにしても、作業完了から逆算して、どの段階にになったら作業を始めるのかというしっかりとした判断を作っておく必要となります。
 また、完全に水没するような場所の場合、開き直って扉や窓を全部外してしまうのも一つの方法です。
 抵抗がなければ建物が壊れることもないので、かつては水害多発地帯ではふすまや障子を外し、畳や床板を外して水害に備えたという話を聞いたことがあります。
 そうそう、基礎にある通風孔もきちんと塞いでおきましょう。

床下の換気口。ここを塞がないと床下に簡単に汚水が入り込んでしまうので注意が必要。

 せっかく土のうや水のうでおうちへの水の流入を防いでも、通風孔がそのままだとそこから汚水が床下に流れ込んできます。
 そうならないためにも、基礎の通風孔の周りもしっかりとした水対策を取るようにしてください。