ペール缶コンロで焼き芋を作ってみた

 今年はあまり寒さを感じさせない日が多いのですが、それでも焚き火をするにはご機嫌な季節です。そして焚き火というとやはり焼き芋は定番でしょう。
 先日、とあるイベントで焚き火をし焼き芋を食べたのですが、ふとうちのペール缶コンロでも焼き芋はできるのだろうかと考え、思いついたからにはやってみるということで、いつものペール缶コンロで焼き芋作りに挑戦です。
 このペール缶コンロ、普通のと違っていて底が抜いてありロケットストーブと似た構造になっていますので、少量の薪で充分暖かくなれる便利なものです。着火もしやすく、燃え残りも殆ど出ない優れもの。これに木ぎれを入れて火をつけ焼き芋を作ってみようという算段です。
 着火剤として、電化製品の梱包材に使われる圧縮した紙を使ってみたら、あっという間に火が起きました。

 びっくりするくらい火力があります。これに薪を加えて炭にするのですが、完全燃焼が目的のこのタイプの炉ではうまく炭になりません。
 サツマイモを濡らした新聞紙でくるみ、アルミホイルに巻いて、適当なところで炉の中へ放り込み、焚き火でやるのと同じくら15分程度焼いたら取り出します。
 火力調整をしていたのですが、15分経つと薪はすっかり燃え切っていました。

 で、3本焼いたのですが、火力が強すぎたらしくアルミホイルが溶けてしまっているものもありました。3本中、2本はほぼ炭化。1本はなんとか食べられる状態でした。

 できあがりは、それでも食べられるところはほくほくでとっても甘いものができていました。このタイプの炉で焼き芋を作るためには、普通の焚き火よりも手を加えないといけない感じです。
どんな風にしたらいいのかはこの次までの課題にしておくことにしましたが、ともあれじっくりと焼いた芋はこの時期最高のごちそうです。
安全に注意して、焚き火のできる場所で是非試してみてください。

非常用持ち出し袋は家のどこにおくか

 非常用持ち出し袋を作っても、押し入れにしまっておいたのではいざというときに持ち出すことができません。
 では、どこに置いておくのがいいのでしょうか。これが正解というものはなく、おうちによって違うのですが、木造の一戸建てであれば一階よりは二階に置いておく方が目的にあった使い方ができるようです。
 地震でつぶれるのは殆どの場合1階ですし水害で浸かるときも1階からです。特にさまざまな理由で家の外ではなく、家の中で上の階に避難するような場合、非常用持ち出し袋を二階に移動させる手間がないのでその分安全に避難ができます。
時間との勝負となる津波の場合はちょっと考える必要がありそうですが、その場合には非常用持ち出し袋を二つ準備しておくのもいいかもしれません。
 災害対策では、耐震補強していない場合には2階で就寝する方がいくらか安全だという話をすることがありますが、寝室が二階にあるのなら、寝室のどこかに非常用持ち出し袋を置くスペースを作っておけば安心です。また、被災後の生活再建で必要となってくる備蓄品は、二階以上の場所にストックしておくことをお勧めします。もし何らかの事情で建物が倒壊したとしても、二階であれば取り出せる可能性があるからです。
 非常用持ち出し袋と備蓄品、それぞれに目的が違いますがいづれも命を支えてくれる大切なものです。避難所にあらかじめ置いておくことが理想ではありますが、それができないのであれば、被災しづらい二階以上の階に防災グッズを置いておくことをお勧めします。

災害とSNS

 台風19号のとき、長野県庁がtwitterを使った災害の救援要請を受け付け、50件近くの救助を行えたそうです。

長野県ツイッターの救助要請収集で約50件救助に(NHKニュースにリンクしています)

 「#台風19号長野県災害」とタグ付けされた記事を拾い、そのなかの救助要請について個別に確認し、救助隊にその情報を提供していったそうですが、行政が行うSNSの使い方として一つの方法だなと感じました。SNSは双方向性が特長ですので、こういうときには状況がすぐに確認できて迅速な行動につなげることができます。もっとも、このときに6人程度の人が専任でこの作業ができたことや、情報を上手に現場につなげる方法を持っていたことなど、どこででも応用するためには少しハードルが高い部分も見受けられました。
 SNSで問題となるのは、その情報が正しいのか否か、そしていつ時点の情報なのかということがはっきりしないというところです。特にツイッターでは古い救助要請もそのままになってしまうため、どうかすると情報が錯綜してしまいます。
 今回の長野県では、対象案件には「#台風19号長野県災害」とつけること、それからいわゆる5W2H(いつ、どこで、だれが、なにを、どうした、なぜ、いくら)をきちんと確認すること、そして双方向で情報を確認し続けることができたのが大きいです。
 情報の発信という点では、より具体的であればあるほど救助隊は的確な救助を行うことができますから、発信する側は最低限「いくつ(年齢)」「だれが(人数)」「どこで(位置情報)」「どうなっている(状況)」を含んだ情報を発信する必要があります。ただ「助けて」では何が起きているのかわかりません。より情報を具体化してどうしてほしいのかまで伝えられるといいと思います。
 基本は110番や119番の非常通報を使うことになると思いますが、いざというときに通信環境が生きていれば、SNSを使った情報発信も一つの手だということは覚えておいて損はないと思います。
 受け取る側である行政の人員体制や技術力、救助隊との連絡体制など問題も山積していますが、それでも、上手に使えば情報が入り乱れている被災現場ではかなりの威力を発揮するのではないかと感じます。

 長野県のtwitterというと、もう一つ面白いことをされているようです。
それは、「やさしい日本語」によるツイートを行ったこと。これが各国語に翻訳されてリツイートされ、情報を入手しにくい被災した外国人達を助けてくれたとのこと。

「こまったらでんわして」ひらがなツイート、台風の長野で起きた奇跡(withnewsのサイトへ飛びます)

 SNSというと、行政機関が使うものは普段から情報は一方通行。非常時には閉鎖や運用停止と言うことも多いのですが、使い方を明確にして発信し続けることは、多くの人を救うこともできるのだなと思いました。
 いろいろといわれるSNSではありますが、上手に使えば多くの人が助かることは事実ですので、よい運用方法が広がってくれるといいなと思います。

小さな火を作るポイント

小さな火の代表「ローソク」。どれくらいの人が使ったことがあるだろうか?

 災害時に停電などのライフラインの停止が発生すると、暗いときにどうやって灯りと暖を取るかということが問題となってきます。
 焚き火の場合には、燃えるものと火をつけるものがあれば火がつくので簡単に灯りと暖房を得ることができますが、安全の問題から普通の家の屋内でやるわけにはいきません。

焚き火は屋内でやると酸欠と引火の問題が起きるので外でやること


 小さくて安全な灯りを作って、それでそれなりの暖をとるということになるのでしょうが、小さな火を作るためにはいくつかの条件があります。
 一つは可燃性の高いものは使わないこと。ガソリンや灯油、アルコールなどは非常に揮発性が高いので、小さな火を作るのには向きません。専用のランタンやランプの機材を準備できない場合には使えないと考えてください。
 揮発性の低い可燃性のあるもの、例えばサラダ油やバターといったものを使うことになりますが、これらは単体では燃えることは殆どありません。
 これらを燃やすためには、燃える場所となる芯が必要です。たこ糸やティッシュペーパーを撚ったものなどを芯にして、そこに油を吸わせて燃やすことで、小さな火を作ることができます。ロウソクをイメージすればよくわかるかもしれませんし、最近すっかり有名になったツナ缶ローソクもこの理屈で燃やしています。

ツナ缶ロウソク。燃えた後の中身は食べられるので無駄がない

 この方法のいいところは、危険が少ないこと。引火点が高いのでひっくり返っても簡単には引火しません。火力は小さいですが、灯りとしては充分に使うことができます。
 この理屈を知っていると、非常時に「ある温度で液になる燃えるもの+芯」で簡単に小さな火を作ることができますので、どんなものが燃えるのか、興味のある方はいろいろと実験してみてもよいのではないかと思います。

リップスティックも非常時には使うことができる。ただし燃焼時間は短い

避難所で子どもとどう遊ぶか

 突然やってくる地震を除けば、殆どの災害は事前に避難が可能なものばかりです。あらかじめ危険箇所の分析ができていれば、自分のところが避難しなければいけない災害に対して早い段階で安全な場所への移動を完了することができるのですが、その安全な場所が自宅ではない場合、そして子ども達が一緒に避難している場合には、その子ども達が退屈しないように少し知恵を絞る必要があります。
 普段から彼らが遊んでいるものを持参することと、電源が不要な遊びを一緒に楽しめるようにしておくこと。
 例えば、ネットゲームやアニメ、インターネットといった電源や通信環境が必要な遊びでは、災害が発生して電源や通信環境を失ったしまうと遊ぶことができなくなります。そこで電源不要な遊びをできるように準備し、また、ある程度は一緒に遊んで慣れ親しんでおくことも必要です。
 例えば、折り紙やあやとり、落書き帳や筆記具、絵本、カードゲーム、ボードゲームなどを持ち出しセットに準備しておき、一緒に遊ぶことで、子どもだけでなく大人も気が紛れます。
子どもが大騒ぎしたり暴れたり泣いたりするのは退屈ですることがないせいの場合が多いので、彼らを退屈させないように準備をしておくのです。
 もしもそういったものが準備できなかった場合には、新聞紙やその辺にあるものでどうやって遊ぶかを子どもと一緒に考えて、周囲に迷惑がかからない程度に遊ぶのもよいと思います。
 避難所の運営が始まれば、彼らも立派な戦力です。仕事をどんどん割り振って、退屈にさせないようにしましょう。

事前準備と買い占め

市販品の非常用持ち出し袋
市販品の子供用防災セット。一通りのものがセットされているが、その中に自分が必ず必要とするものが入っているとは限らないことに注意。

 災害で避難や補給が途絶したときに備えて3日~7日程度の備蓄品を準備してくださいということが、政府広報などでさかんに言われていますが、あなたは自分が一日に何をどれ位消費しているかを知っていますか。
 あなたの生活に必要なものや用意すべきものは、あなたがいる環境や場所、体調によって異なりますので、自分が一日にどれくらいのものをどうやって消費しているのかを確認しておくことは、備蓄品の準備にあたって必ず確認をしておく必要があります。
 例えば、飲料水は料理で摂る分も含めて一日一人3リットル準備しなさいといわれていますが、汗をかく人や子どもではそれ以上必要になることがありますし、また、そこまで必要の無い人もいます。普段の生活を知ることで、自分に必要なものの数量がきちんと把握でき、無駄な備えをしなくて済むことになるわけです。
 これは災害後に起きる買い占めでよく起きることなのですが、災害が発生して備蓄がない場合、不安と焦りから自分の生活に必要以上のものを買い占めようとする心理が働きます。その結果、ある人は何も手に入れられず、ある人は手に入れすぎて駄目にしてしまったというようなおかしなことが生じます。自分が普段必要になるものと数量を把握することで、必要以上に買う必要がなくなれば、多くの人が助かることになります。事前準備がしてあれば、なおさら心に余裕ができます。
 自分が生活するのに何がどれくらいいるのかをきちんと確認し、その数量×日数分を準備しておくことで、いざというときに慌てなくて済みます。
 災害に備えて紹介されている準備すべき備蓄品はあくまでも平均的なもの。それらを全て準備したからといって、あなたにとって必要なものが全てそろっているわけではありません。
 自分の生活を確認し、それが支えられる分量を準備すること。そして準備した備蓄品は上手に入れ替えていき、いざというときに買い占めしなくてもすむこと。
 これが災害からの復旧の第一歩です。

石西地方のAEDマップのご紹介

 応急手当の講習会に行くと、100%と言ってもいいくらい出てくるのがAEDです。簡単な操作で誰でも取り扱うことができ、心臓マッサージとこのAEDの併用で助かる命が出てくるとなれば、しっかりと講習を受けて使えるようにしておいて損はありません。
 ただ、いざというときにそのAEDがどこにあるのかを知っていないと、使うことができません。
 このAEDの設置場所というのは案外とわかりにくくて、いろいろな団体がAEDマップを提供しています。石西地方では益田広域消防本部が管内のAED設置情報をホームページで提供しています。定期的に更新もされているようですので、お住まいの場所の近くではどこにあるのかを確認しておくのも大切なことだと思います。
 ただ、一つ注意しておかないといけないのは、AEDが置いてあるところが24時間開放されているわけではないということ。殆どの場合施設の中に置かれているため、その施設が開いている時間でないと使うことができません。
 場所の確認と同時に、そこから持ってくることができる時間も合わせて確認しておくといいと思います。

現金を持つ意味

 非常用持ち出し袋にはいくらかのお金をいれておくようにしようということが、殆どの防災関係の本には書いてあります。
 最近は電子マネーやクレジットカードなどを使うため、現金を持って歩かないという人もいらっしゃるようですが、災害時に備えて、せめていくらかの小銭は用意しておくようにしてください。
 というのも、災害時には小銭が非常に有効となるからです。例えば、最近では殆ど見ない公衆電話を使うときですが、10円や100円しか使えなくなっています。また、コンビニエンスストアで買い物をしようと思っても、停電していれば電子マネーは一切使えません。殆どの場合は手計算になるので、小銭以外は受け付けないという対応をされることも多いです。
 では、非常用持ち出し袋にいくら準備しておけば安心なのか。一概に言えませんが、あまりにたくさんのお金を準備してしまうと、今度は普段の盗難やいざ持って逃げるときに重量がかさんでしまいますので、数百円から数千円程度、硬貨で準備しておけばいいのかなと思います。
 また、出先など非常用持ち出し袋がない状況で被災する場合も当然ありますから、自分のお財布やポケットに、やはりいくらかの小銭は準備しておくといいと思います。
 電子マネーやクレジットカードは非常に便利なものですし、荷物にもなりませんから普段は快適です。でも、災害が起きて停電や通信環境が破壊されてしまうと使えなくなってしてしまいますので、自分を守るためにもある程度の備えをしておいた方がいいと思います。

暖かい食事のために発熱剤を準備してみる

 避難所で避難生活するにしても、自宅で生活するにしても、食事はしっかりと食べる必要があります。
 ただ、冷たいものや常温のものばかり食べていると、暖かいものが恋しくなってくるのは事実ですし、疲れて空腹な時に暖かいものを食べることができれば、それだけでかなりの気力を回復することができます。
 よくカセットコンロを準備しようという話をするのですが、ご家庭の事情によっては、それができない場合もあると思いますが、暖かいものを食べるための環境は整えておいた方が安心です。
 そこで、発熱剤を使ってみてはいかがでしょうか。「紐を引くだけであつあつのお弁当」などというキャッチフレーズでお弁当などにも使われていますが、普段の保管では危険は殆ど無く、劣化しにくく、いざというときには水を注ぐだけでしっかりと発熱してくれます。加熱するためには水が必要ですので、その分を余計に準備しておくという必要はありますが、水であれば基本的には発熱しますので、飲料用でなくても使うことが可能です。
 アウトドアや災害用に使う発熱剤は、殆どの場合ケースがついていますので、そのケースに缶詰やレトルト食品など暖めたいものを入れ、説明書に従って発熱させると暖かいものが食べられます。加熱温度は70~80度くらいですので、焦げたり発火したりすることはありませんし、よくある「○○のご飯」のような加熱しておいしくなるタイプのご飯もしっかりと温めることができます。また、授乳用の液体ミルクを温めるだけでなく、粉ミルクを調製するためのお湯を作ることも可能です。
 とても便利な発熱剤なのですが、欠点としては売っているところが限られているところです。いざというときにすぐ買えないと思いますので、一度買ってみて、自分のニーズにあっているかどうかを試してみてください。
 ちなみに、使い捨てカイロがあれば、その熱でもほのかに暖かくすることは可能ですので、あわせて使い捨てカイロも準備しておくとよいと思います。

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寒さ対策をしっかりとしておこう

 年末年始は冷えるという予報が出ていますが、対策は大丈夫でしょうか。
 お出かけ時には、暖かい服装で風邪など引かれないようにお気をつけください。
 ところで、身体を温める服装と言うことでよく話に出てくるのが厚手の服を着るのがいいのか、それとも重ね着する方がいいのかということです。
 結論から行けば、「どちらでもいい」と思うのですが、どちらも以下の条件を満たしていることが必要です。

1)一番外側に来る服が風を遮断すること
2)服の間に空気がため込めるようになっていること
3)汗をかいても湿らない下着であること

 以上の三つの条件を満たせば、厚手の服でも重ね着でも充分に暖かいと思います。厚手の服としてよく使われているダウンのようなふわふわもこもこした空気の層の塊のようなものを着るときには、なるべく熱源である肌に近い部分に着た方が暖かいということくらいでしょうか。重ね着するのであれば、発熱素材と断熱素材を上手に組み合わせた薄手の服を使うことです。

 また、意外に見過ごされがちですが、足下を冷やさない条件も同じです。足下を冷やさないためには、一番最初に汗をかいても湿らない靴下にすること、そして靴の中に空気を貯め込めるようなボアがあるものを履くことです。

 いずれにしても、それらを上手に組み合わせて身体を冷やさないようにしたいものですね。