その非常食の食べ方を知っていますか

アルファ米いろいろ
非常食は自分にあったものを選びましょう

 非常用持ち出し袋は結構知られるようになり、備えている人も増えているようです。
 ただ、中に入れているものの使い方がわからなければ、どんなに備えても何もないのと一緒で、準備したら使ってみて自分に合う合わないを確認しておく必要があります。
 その中でも、特に非常食はいざというときに悩んだりトラブルになったりするものなので、作り方と必要な道具、それに食べ方は実際に試してみたほうがよいと思います。
 例えば、よくあるのがアルファ米ですが、自分が準備しているアルファ米をどうやって作ってどうやって食べれば良いのか、そしてどんな味がするのかわかっていますか。
 アルファ米は同じ名前でも製造会社が異なれば当然味も異なります。そして、実は作り方もちょっとずつ違っていたりします。
 内容物や加える水の量、水を加えた後の処理、そして出来上がりと試食。実際にやってみることで意外な発見がたくさん出てくると思います。
 当研究所で「アルファ米を食べてみる」という企画をやると、放っておくと中の乾燥剤やスプーンをそのままに水を加えてみたり、水の量を適当にしたり、撹拌せずにいてうまく戻ってなかったり、味が好みでなくて凹んでしまったり、いろいろと面白いトラブルが起きます。
 いざというときに備えて「準備する」という行為の中には、非常時にきちんと使えるように練習しておくというのも入っています。
 とくに非常食はいざ食べるときにトラブルになると気持ちが一気に落ち込んでしまいますので、しっかりと作り方や食べ方をマスターしておきましょう。

エアコンなしで暑さをしのぐには

 日中35度越えもある最近の夏ではエアコンは必需品です。
 ただ、この時期に停電が起こると途端に暑さにさらされてしまい、体調を崩したり熱中症になったりすることもあります。
 今回は停電などでエアコンが使えないときにどのようにして暑さをしのぐことができるかを考えてみます。

1.日影を作る

当たり前のことかもしれませんが、直射日光の下にいたら体温はあっという間に上昇していきます。
それを防ぐためには、まずは直射日光に当たらないことです。
つまり、日影を作ることが一番重要だということになります。

2.風を起こす

 日影に入ったら身体の周囲に風を感じられるようにしましょう。
 例えば、うちわや扇子などで身体の周囲の空気を動かすことで、熱がその場に滞留していくことを防ぐことができます。
 また、汗をかいていればそれに風が当たることで気化熱が発生し、身体の冷却効果も期待できます。
 屋内の場合には、室内は熱がたまりやすいですので、風の流れを作り出しておく必要があります。窓や扉を複数箇所開け、風の通り道を作るとよいでしょう。

3.放熱する

 もし冷たい水があるなら、手のひらや足をつけることで身体の熱を逃がすことができます。瞬間冷却パックや冷却スプレーなどでも似たような効果が期待できるので、手元にあれば使ってみてください。

4.冷感素材などを利用する

 最近は汗を使って身体を冷やせる冷感素材を使った衣類が増えてきます。
 それらを着用することで、身体を冷やすことができます。

5.冷たいものを食べる

 これはおまけになりますが、体内に熱が籠もっている場合には表面をいくら冷やしても身体が冷えない場合があります。
 もし水や氷など冷たいものが手に入るのであれば、それを食べることで体内から冷やすことができます。
 ただ、冷たいものは内臓にダメージを与えることがあるので、食べ過ぎないようにしてください。

 暑さをしのぐための基本は「熱をその場に貯めないこと」ですので、いる場所の温度を上げない、そして排熱するということが重要になります。簡単に言うと、日影を作って熱を貯めない、そして風で熱を動かすことを念頭考えるといいのかなと思います。

汗ふきシートと身体ふき

 災害時に身体の衛生状態を維持するのは割と大変なことですが、あなたはどのような準備をしていますか。
 口腔衛生用として歯ブラシや歯磨きシート、そして身体をさっぱりさせるのには身体ふきシートを、それぞれ準備しておくといいと思います。
 身体ふきシートでは、よくノンアルコールのお尻ふきを準備するように書かれたものを見ますが、身体をきれいに保ち、かつ誰にでもどこでも問題なく使えるという点で非常によいものだと思っています。
 ただ、さっぱりとはしますがすっきりとはしないので、よりすっきり感が必要だと思われる方は、よく学生さんが使っている汗ふきシートを利用することをお勧めします。
 かくいう筆者は、先日山に登った際にこの汗ふきシートで汗を拭いてみて、その効果にびっくりしました。
 べたつきがすっきりと取れ、少しの間でしたが汗がしっかり止まり、つかの間ではありますが非常に快適な時間を過ごすことができたのです。

汗拭きシートの一例。さまざまな種類が出ているので、好みのものを探すのも楽しいのでは?


 夏場の避難所では、エアコンのない場所も非常に多いですが、そう言った場所でこういった汗ふきシートが使えれば、思ったよりは快適に過ごせるかもしれないなと感じました。
 汗ふきシートはお尻ふきほどしっかりとしたものではありませんが、両方を上手に使うと身体がかなり衛生的に維持できるのではないかと思っています。サイズも量も持ち歩くにはちょうど良い感じで、夏場の出掛けた先での汗対策を兼ねてローリングストックしてもいいかなと、筆者自身は考えています。

携帯トイレと使い方

携帯トイレ各種
携帯トイレの例。右側は大小兼用。左側は小のみ。中央は大小兼用だが便座が必要なもの。

 非常用持ち出し袋には携帯トイレを入れておくということは、このウェブサイトでも嫌になるほど書いているところですが、この携帯トイレについて説明が不足していたなと思ったので、今回はそれを追記しておくことにしました。
 携帯トイレは、文字通り持ち運びできる簡易的なトイレなのですが、書かれていない問題点があります。
 それは、ほとんどのものは小専用だということ。
 「男女兼用」と書いてあっても「大小兼用」とは書かれていないと思います。もしも「大小兼用」と書かれた物をお持ちの場合には、それはぜひ持っておいて欲しいと思いますが、そうでない場合、もし非常時に大きい方を催したときにはトイレがあるのに使えないというひどい状態に陥ります。
 ではどうするか。
 筆者のお勧めは、ペット用、できれば猫用のシートを準備しておくことです。

ペットシーツの一例。小専用よりも嵩は増えるが使いではかなりいい。

 猫を飼っている方はご存じだと思いますが、猫のおしっこは非常に臭います。そのため、猫用のペットシートは吸収能力の他に消臭能力もかなり優秀なものを持っています。
 それを敷いて用を足し、終了後は包んで消臭効果のあるビニール袋などに密封しておけば、持っていることを忘れるくらい快適に持ち運びができます。
 和式トイレが使える方なら、この方法で排泄処理はできると思いますので、携帯トイレを持ち歩かなければいけない環境の方は、是非一度試してみて下さい。

水遊びとライフジャケット

ライフジャケットが正しく着用できているかをペアで確認中。

 新型コロナウイルス感染症は屋外では移りにくいということで屋外でのさまざまな遊びが脚光を浴びているようですが、暑くなってきましたから水遊びしたいと考えている人も多いのではないかと思います。
 プールのように監視がしっかりとしていて流れのない場所ならともかく、川や海、湖で遊ぶときに必ず着用して欲しいのがライフジャケット。
 何をどうしても浮くようにできていますので、正しく着用していれば溺れる可能性はかなり低くなります。
 呼吸する口や鼻が水の上に出ていればとりあえずなんとかなりますので、子どもだけでなく、水遊びをするときには大人もライフジャケットを着用して起きたいですね。
 また、身体の本体を覆うような構造のものが多いので、胴体の日焼けを防ぐこともできますし、体型が気になる人にも最適です。
 ただ、ライフジャケットは構造上断熱効果が非常に高いので、陸上で休憩やご飯の準備をしているときにも着用したままでいると熱中症になる危険性がありますので注意が必要です。
 ところで、気をつけたいのが事故が起きたときです。
 ライフジャケットをつけた人、特に子どもは流されると慌てて救援を求めることがあるかもしれませんが、その声を聞いても慌てて飛び込んではいけません。
 ライフジャケットは浮きます。浮いて声が出せているということは、溺れてはいないということですから、慌てる方が危険です。
 慌てて救助に向かうと、ヘタすると二重遭難してしまうことがあります。
 遭難していると思っている人は必死です。
 もし救助者が来てくれたなら、ほぼ100%救助者にしがみつきます。
 そうすると、救助者は自由が聞かなくなるので溺れてしまうし、ライフジャケットの浮力も不足することになるので一緒に沈むことになりかねません。
 まずは遭難者を落ち着かせ、救助者も落ち着くこと。
 ライフジャケットの浮力があれば、滝でもない限りとりあえずは大丈夫ですから、まずは落ち着きましょう。
 ちなみに、ライフジャケットを着用していると泳ぐことは結構難しいですので、とりあえずは浮いて流されるままにします。
 浅瀬があればそこで上陸すれば助かりますし、浅瀬がない状態でも、泳いで体力を無駄に消耗するよりは流れに任せた方が無難です。
 携帯電話が通じるのであれば、119番通報して救助装備を持つ消防の出動を要請します。
 もしも手元に空のペットボトルと長くて軽い紐があるのであれば、紐をくくっておもり代わりの水を少し入れたペットボトルを投げて遭難者に掴ませ、たぐり寄せて救助ということも可能ではあります。
 見落としがちですが、釣り用の釣り糸も案外丈夫で使うことが可能です。リール付きであればペットボトルをより遠くに飛ばすことも可能ですから、念のため覚えておいてください。
 楽しい水遊びで悲しい事故が起きないように、水遊びではライフジャケットを身につける習慣を身につけたいものですね。

快適性と携行性

非常用持ち出し袋は作ったら一回背負って避難所まで歩いてみるといろんなことがわかる。

 ある程度大きな災害になってくると、避難先で過ごす時間が非常に長くなってきますから、なるべく快適な環境を作り上げて、少しでも心身にかかるストレスや負担を減らす必要があります。
 ただ、避難先まで持って移動することを考えると、できる限り軽量で小さくなっているほど持ち歩きがしやすくて助かります。でも、軽量で小さいものは使いにくいですし、それなりに使い勝手のいいものはお値段も高いです。
 非常用持ち出し袋はこの狭間を悩みながら作り上げていくことになります。
 普段から旅行や登山などをしている人であれば、それなりに荷物を小さくする技術を持っていると思いますが、そうでない人は、考えているものを一度使ってみるといいと思います。
 具体的には、非常用持ち出し袋の中の生活アイテムはキャンプ場などで借りることができますのから、そういったところで一度借りてみて試してみてください。
 また、何を重視するのかを考えて、一点豪華主義で準備する方法もあります。
 例えば、寝るための装備として考えてみます。
 必要なのは、とりあえず敷き布団と掛け布団と枕。
 敷き布団と枕についてはエアマットと旅行用空気枕を使い、掛け布団を封筒型寝袋にするとかなり快適な寝床ができあがります。
 これに耳栓やアイマスクを準備しておくと、ある程度快眠が確保できるのではないでしょうか。
 また、食事が重要だという人は、カセットコンロと鍋、それに缶詰などのアイテムを充実させておくと快適に過ごすことができます。
 カセットコンロはさまざまな種類があって、大きいものから小さいもの、カセットガスやOD缶とガスの種類もいろいろとあります。
 あなたが避難先でどれくらい普段と変わらない食事を作るかで、そのサイズや内容を変化させればいいと考えます。
 最近では百円均一でさまざまな道具が揃いますが、実際に使ってみると、使い心地が微妙なものもありますので、買ったらとりあえず使ってみて、あなたの生活にあっているかどうかを考えてみてください。
 もし合わないようであれば、合うものをいろいろと探してみることを勧めます。
 最後に、案外と見落とされがちなのがコップ。
 水は大きなペットボトルや給水袋で支給されますので、そのままで飲むことはかなり難しいですからマイカップは忘れないようにしたいですね。
 せっかく準備するのなら、壊れにくくて使いやすいものを探してみても楽しいのではないでしょうか。

お酒とたばことゲーム機

 非常用持ち出し袋や避難所での生活において、嗜好品はどう考えればいいかということをお問い合わせをいただくことがあります。
 結論から言えば、周囲に迷惑がかからなければたばことゲーム機については問題ないと思います。
 たばこは、確実な火の消火確認や煙、臭い、呼気など周囲への影響に気をつけること。ゲーム機は、音と光が周囲に迷惑をかけないこと。そして使うための電気は自分で準備すること。
 避難所や避難先では、どうしてもそういったものが苦手な人がいますから、そこを気をつけていただければいいと思います。
 ただ、お酒に関して言えば、避難中はできるだけ飲まないでほしいとお伝えしています。特に地震のように終わりの見えない不定期に続くような災害では、お酒を飲んで判断力や行動力が鈍った状態では避難行動や身を守るための行動を取ることができません。また、災害が収まった後でも、生活に不安があるときにお酒を飲むと決して気分のよいお酒にはならないでしょう。
 大抵の場合は悪酔いしてしまって周囲とトラブルになるか、あるいは飲んでも酔えずにそのうち病気になるか。どのみちいい結果にはならないと思います。
 ある程度復旧・復興のめどが立つまではお酒を一度止めてもらって、楽しい席から飲酒の再開をしたらどうかなと思います。
 嗜好品は人生を豊かにしてくれます。
 周囲の人が困らない程度の嗜好品を上手に使って、あなたの精神的な安定を保ち、上手に復旧・復興ができるようにしてほしいと思います。

非常用持ち出し袋の防水対策はしっかりと

 非常用持ち出し袋を作るときに気をつけたいこととして、中のものが濡れたり汚れたりしないようにしておくことがあります。
 着替え、懐中電灯やラジオなどの電気製品、衛生用品など、濡れたり粉塵を被ると使えなくなったり使いにくくなったりするものが結構ありますので、対策はしっかりとしておく必要があります。
 方法はいろいろあるのであなたの実情にあったやり方をしていただければいいと思うのですが、例えば、防水仕様の非常用持ち出し袋なら中が濡れることはありませんし、外から中に水が入らないのなら中から外へ水が漏れることもないので、水の配給時に給水袋として使うこともできます。

防水リュックサックの一例。縫い目がなく、開口部を丸めてマジックテープで止めることで中に水が入らないようになっている。

 防水仕様でなくても、中に大きめのビニール袋を重ねて入れて、その中にものを納めれば防水仕様の非常用持ち出し袋と同じ効果を得ることができます。
 また、個別にジップロックなどの密封できる袋に収めていく方法もあります。密閉できる袋があるとさまざまな場面で重宝しますので、準備しておくといいと思います。
 せっかく準備していても、駄目になってはなんにもなりません。
 いざというときに使えるように、きちんと対策をしておくことをお勧めします。

車の避難は危険かも?

 水害からの避難では、避難勧告が出た段階では基本的に車は避難に使わない方が無難です。
 とはいえ、大雨が降っていて足下に流水の姿が見えると、歩くよりは車の方が安全に見えてしまうのも事実なわけで、実際に氾濫し始めた時期の避難は車を使うという人も多かったりします。
 ただ、多くの場合車が水没したり動けなくなったり流されたりしてしまい、歩くよりも危険な目に遭うこともしばしば。
 では、どうして水の姿が見えたら車を使ってはいけないのでしょうか。

1.車は簡単に流される

 感覚的に車は重量物だと思ってしまいますが、道路に接している面は、実はタイヤの4カ所、それぞれはがき1枚分くらいの大きさしかありません。
 地面に接しているこの部分の排水がうまくいかないと、水に持ち上げられてしまって車のコントロールがきかなくなってしまいます。
 高速道路などで起きることがあるハイドロプレーニング現象が、流水と車の速度、そしてタイヤの溝の状態で発生してしまうことになるのです。
 一度流されてしまうと、車はそのまま勢いに任せて流されていきます。へたをすると、車から脱出できずにそのまま水に呑まれてしまうことも起こり得ます。
 水が道路に溢れている状態では、車はかえって危険なことがあることを知っておいてください。

雨天時に初めてわかる摩耗タイヤの危険性(JAFのyoutubeチャンネルに移動します)

2.車は簡単に沈む

車が流される光景は水害関係の映像を見るとおなじみですが、車は簡単に沈む存在でもあります。
運転席や乗客がいる客室も完全防水ではありませんから、一度沈み始めると中まで水浸しになってしまいます。
最近は電動ウインドウが殆どですから、水で車の電気系統が駄目になってしまうと、ハンマーでもない限りは車から脱出できなくなります。
通勤経路でアンダーパスなどが存在している場合には、よくそこで水に突っ込むことがありますから、経路をよく考えて普段から意識するようにしないといけません。

3.吸気口に水を吸い込んだら終わり

クロスカントリーカーだろうがSUVだろうが、エンジンの燃焼構造は基本的に一緒です。
吸気口に水を吸い込んでしまったら、エンジンは動かなくなります。
よく水の中を移動している軍用車両があったりしますが、車の吸排気系は屋根の上に煙突のように突き出している道具(シュノーケル)があるから水の中をある程度まで移動できるのです。
吸気口が水面下になってしまったら、ほぼ100%動けなくなると思って下さい。

4.渋滞に巻き込まれる

田舎であれ都会であれ、車は道路を使って移動をします。
水が出るとその道路が寸断されてしまうため、あちこちで立ち往生する車が出てきます。
それに巻き込まれてしまうと、どうにも逃げようがなくなります。
早めの行動をすれば、そういった事態に巻き込まれる確率はかなり下がりますので、車で逃げるならとにかく早めの避難が重要です。

 普段はあまり意識していないのが水の怖さだと思いますが、車で被災すると非常に恐ろしい目に遭います。
 たくさん荷物が運べて雨にも濡れず、一時的な避難所の機能としても期待できる自動車。もしも車で避難するのであれば、人よりも早めの避難開始・避難完了をするようにしてください。

車両水没実験 ~増水時を想定した水没テスト~【JAFユーザーテスト】(JAFのyoutubeチャンネルに移動します)

冠水路走行テスト(セダンタイプ)【JAFユーザーテスト】(JAFのyoutubeチャンネルに移動します)

冠水路走行テスト(SUVタイプ)【JAFユーザーテスト】(JAFのyoutubeチャンネルに移動します)

医療と薬

 災害が起きたときに、どうかすると医療行為が止まってしまうことがあります。
 現在の医療行為はさまざまな場面で機械が無いとどうにもならなくなっているので、災害用の発電機が設置されてはいるのですが、災害の種類によってはその発電機が使えなくなることがあります。
 そうなると、医療機械だけでは無くて手続きや電子カルテに至るまで全てが止まってしまい、まともな診療ができなくなります。
 でも、例えば透析が必要な方などは待ってくれとなると生死の問題になります。
 そう言った場合には被災地以外の場所へ広域移動してもらって医療行為を受けてもらうのが現実的なやり方でしょう。
 被災した医療システムを復旧しようとしても、とても数日間で何とかなるものではありませんから、医療機器を使わないと命の危険がある方のために、医療機関は広域で連携しておいた方がいいと考えます。
 また、避難所での生活になったとき、医療体制が安定するまでの間は診察も検査も投薬もしてはもらえません。
 そのため、持病を持っている人は自分の薬をある程度非常用持ち出し袋に入れて置く必要があります。
 1週間から10日分くらいは予備があると安心です。
 かかりつけのお医者様に相談すれば、そう言った配慮をしてもらえることがありますので、ないと命にかかわるような薬を飲んでいる人は、事前に準備しておいた方がいいと思います。
 その上で、お薬手帳があれば、万が一かかりつけの医師や薬剤師との連絡が取れなかったとしても、そのお薬手帳に書かれている薬を見ることで、あなたを診てくれる医師や薬剤師はどのような症状でどのように薬を使っていたのかが分かって事故を防ぐことができます。
 生命に関するような医療行為や薬は、災害に対していくつも対策をしておいて無駄にはなりません。
 自分だけで対策をするのは難しいかもしれませんが、できる手を考えて打っておくことをお勧めします。