ビニール袋と新聞紙

 非常用持ち出し袋や避難所で備えておくといいものにビニール袋と新聞紙があります。どちらもありふれたものではありますが、使い方を知っていると非常に使えるアイテムです。


 例えば、どちらも紐で吊せば間仕切り、袋として使えば物入れやゴミ入れに使うことができますし、他にもビニール袋は生活水の運搬や洗濯、新聞紙は汚物処理や燃料としても有能です。
組み合わせると枕や布団、座布団や防寒具と言ったアイテムを作ることができますし、緊急時の簡易トイレも作れます。
 単価も安く、場所も取らないので備蓄もしやすいのが特徴のこの二つのアイテム。
 ビニール袋の有料化や新聞を取らないおうちが増えているのあまり手元にないことも多くなってはきましたが、準備しておくといろいろと使えて便利ですよ。

消火器を備えていますか

 火災の時にとても大切だと言われているのが初期消火です。
 どんな火でも最初は小さいですから、他に燃え移る前に消せれば火事になることを防ぐことができます。
 消火方法はいろいろと言われていますが、誰にでもできて確実に消そうとすると消火器が一番確実です。
 後片付けの問題はありますが、火事でさまざまなものを失うことを考えれば許容範囲だと思いますが、あなたの家には消火器が備えてありますか。
 また、備えている消火器の使用期限は大丈夫ですか。
 使用期限を過ぎたり、外観が痛んでいるものは速やかに交換をしてください。
 最近では消火器を取り扱っているホームセンターなどでも回収してくれるみたいですから、更新するときに相談してみてもいいと思います。
 そして、使い方も覚えておきましょう。
 慣れると簡単なのですが、間違って消火剤を撒かないように、消火器はその手順を守らないと消火剤を発射できないようになっています。
 備えて使えるようにしておくことで、おうちの安全を高めることができますから、一家に一本、備えてみてはいかがでしょうか。

感震ブレーカーとスイッチオフ

 感震ブレーカーというものがあります。
 代表的なものは配電盤についていて地震の際に電気を止めて電気器具による火災を防ぐ装置ですが、このほかにも、ガスのマイコンメーターやストーブの耐震消火装置などもこれに該当します。
 要するに、揺れを感知したら電気やガス、灯油と言った燃料の供給を止めて火を消す装置なのですが、この装置が働いて消火された後、それぞれの器具のスイッチを確実にオフにしておくことが必要です。
 電気なら、機材のコンセントを抜いておく、ガスならコンロや給湯器のスイッチを切る、ストーブであれば確実に消火しておくなど、緊急時に対応してくれた安全装置を保管する作業をしておきましょう。
 電気もガスも異常がある状態で供給を再開しようとしても供給ができないようになっていますが、復旧作業をしてもうまく動かないのは、このスイッチを切るという作業がされておらず、診断装置が危険だと判断した結果復旧しないことがよくあるからです。
 耐震安全装置が正しく起動すれば消火は確実にできますので、地震の際にはまず身の安全の確保、そして落ち着いてからのスイッチオフという作業を忘れないようにしておきたいですね。

防災に完全なマニュアルはない

 防災については最近どうやら流行のようで、本屋さんやネット通販でもさまざまな本や道具が販売されています。
 「これがあれば大丈夫」とか「こういうときはこうする」などといったテクニックや災害時の行動マニュアルもずいぶんと紹介されるようになりました。
 ただ、ちょっと気になるのが、ノウハウ系、マニュアル系の本が増えるに従って、「こうしなければならない」という風潮が出てきているように感じていて、それはどうなのかなと思っています。
 もちろん、当研究所の研修会でもさまざまなノウハウはお伝えしますし、基本的な考え方自体は変わらないので「このときはこうする」というお話もしているのですが、前提なるものを必ず最初にお話ししています。
 それは、「何のためにそれを行うのか」「何のためにそれを準備するのか」を考えてもらうということ。
 毎度書くことですが、例えば市販品の非常用持ち出し袋をあなたが買ったとして、それで備えが充分かというとそんなことはありません。
 人の数だけいるものいらないものがある。そう考えると、市販品の非常用持ち出し袋はあくまでも基礎的なアイテムで、それにプラスして自分に必要なものを加えたり、必要ないものを外したりしてカスタマイズする必要があると言うことです。
 もっと書くと、都会では水や食料をしっかりと準備しないといけませんが、田舎だとわき水や井戸、貯蔵している米、野菜があったりして、そこまで優先度が高くないこともあり得ます。
 また、洪水では垂直避難もありだとされていますが、海抜0m以下のところだと、洪水が起きると3階建ての最上階でも水没することが起こり得ますし、富士山のてっぺんで洪水対策を考えるのはナンセンスです。
 ノウハウやテクニックがいけないというわけではありませんが、状況と置かれた環境によって、自分に必要な行動や準備はかなり異なってきます。
 マニュアルに書いてあるとおりにしたからそれで大丈夫ではありません。
 ノウハウ本やマニュアル本はあくまでも参考にして、自分の置かれている状況や環境を考え、その上で、自分にあった備えや準備をするようにしてください。

ケミカルライトの明るさを比較する

 化学反応で発光するケミカルライト、サイリュームとも言われていますが、コンサートなどではお馴染みのアイテムです。
 熱を出さず、燃料も電気も不要なため、非常用持ち出し袋に入れておくと万一のときの灯りとして使うことが可能です。
 もっとも、光量はそこまで強くはありませんので、場所のマーキングや障害物の注意表示に使うことが主になりますが、読書するのにも使えるというのがどこかの記事にありました。
 ご存じとは思いますが、ケミカルライトの色はさまざまです。色によって用途を分けることもできるのではないだろうか。
 そう考えて、今回は色で見える範囲を比べてみることにしました。

1.緑色


 見ての通り、かなり明るく発色しています。
 背後は地元の誇る水族館アクアスのうちわですが、文字もQRコードもかなりしっかり読み取ることができます。

2.青色、桃色


 下にある文字は読めません。
 近づいていくとぎりぎり読めるかもしれないというレベルの光量です。

 反応が始まってからの時間もあるので一概には言えませんが、黄色や緑色は割と読みやすく、桃色や青色はちょっと見にくいといった感じです。
 どの色も目立つのですが、読書や手元のごそごそに使うのなら黄色や緑色、マーキングや誘導路として使うのであれば桃色や青色が使いやすいのかなと思いました。
 もちろんこれは一つの事例でしかないので、いろいろと試してみて自分に向いたケミカルライトを準備しておくといいと思います。
 今回の比較があなたの準備の参考になれば幸いです。

避難時の思わぬトラブル

 避難訓練と実際の避難で違っていたなと考えるのに、家に残していく大切なものをどうするか、ということがありました。
 避難訓練では何を置いてもまず避難となりますが、実際の水害で災害発生までにまだ余裕があると思うと、避難の前に自分にとって大切なものをできるだけ上階に避難させておきたいという感情が働くようです。
 今回は時間にかなり早い段階で家族での避難判断をしたのですが、避難判断をしてから避難準備完了までに実は40分かかっています。
 その理由は、子ども達が自分にとって大事なものを上階に避難させていたから。
 「大事なもの」の定義がみんな違っているのはいいのですが、大事なものが何かと考え込んでしまって行動が遅くなったということもあったようです。
 非常用持ち出し袋は準備していたので着替えを入れたら終わりだったのですが、考えついた自分にとっての大事なものをあれこれと上階に避難させているうちにそれだけの時間がかかってしまいました。
 その様子を見ながら、自分にとって大事なものをきちんと決めておくこととそうでないものの整理を普段からしておかないといけないなと感じました。
 避難先から帰宅しての反省会では、自分にとって大事なものは何かを決めておくことと、それ以外はあきらめることを確認し、次回があればそれを実践してみることになりました。
 水害では、氾濫危険水位から実際の氾濫までそれなりに時間の余裕が作られています。本来それは避難用の時間なわけですが、中途半端に時間があると、逆にあれこれ考えてしまって手遅れになってしまうのかなと感じました。
 そういった意味では、避難判断から避難開始の間の最大所要時間を決めておき、それを過ぎたら問答無用で避難開始でもいいのかもしれません。
 今後家庭で行う避難訓練では、実際に大事なものを上階に避難させる訓練も取り入れた方がより実戦的になるのかなと思いました。

避難所での服装

 避難所での女性の服装。
 大規模災害が起きる度にさまざまな物議を醸している問題ですが、今回避難をしてみて思ったことを書くと、「他人の目は防げない」ということです。
 防災関係の本を紐解くと「目立たない格好をしよう」とか「一人にならないように」とか、すごいのになると「女性とわからない格好をしよう」と書かれているものまであります。
 でも、ある意味ではこれは正しいと思います。
 特に普段年頃の女性に接することのない人は、どうしても目で追いますし、どうかするといやらしい視線になることもあります。
 中には妄想全開な方もいますので、そういう人にはいくら理屈で説明しても無駄ですから、やはり自衛するしかないというのが正直なところ。
 目立たない服装にするかどうかはともかく、できるだけ肌の露出が少ない格好をしたほうがよさそうです。
 見るなといっても自然と目が向いて見てしまうものです。言い過ぎると言い過ぎると喧嘩になって殺伐としてしまいますし、ヘタすると恨みも買います。それよりも最初から見せない方に力を入れる方が建設的で角が立たないと考えます。
 避難所生活は非常事態ですから、おしゃれしたい人は、可能な限り早めに退去したほうが精神衛生上いいのかなという気がしています。

飲料水を確保する

台風やら前線やらの活動が活発化してあちこちでさまざまな被害が発生しています。
被災された方にはこころからお見舞い申し上げると共に、一日も早い復旧をお祈りします。
さて、災害が起きるたびに言われることですが、飲料水をどうやって確保するのかという問題があります。
普段からある程度の備蓄をしていればいいのですが、旅行や出張などで遠方に出かけた際に被災すると、備蓄も何も無い状態ですからかなり悲惨なことになります。
そんなときに備えて、カバンの中にペットボトルを一本入れておくと、気分的にかなり違います。
最近はいろいろなサイズがありますから、自分のカバンと体力にあったものを用意して持ち歩くようにしてはいかがでしょうか。
これからまた大雨や台風の季節がやってきます。
どこで被災してもいいように、とりあえず飲み水は用意しておくことをお勧めします。

熱中症と水の飲み過ぎ

 熱中症対策で水分補給がずいぶんと言われるようになりました。
 運動時に限らず、経口補水液やスポーツドリンクなども割と手軽に摂取され、昔に比べると脱水症状は発生しにくくなっていると思います。
 ただ、今度は水の飲み過ぎという問題が起きやすくなっています。
 一日に必要な水の量は、その人の水の代謝や運動量、汗のかきかたなどでかなり変わってきます。
 同じ人でも居る環境や状況で摂取する水分量は変えていく必要がありますので、一日の水分摂取量はあくまでも一般的な目安として考えた方がいいでしょう。
 水の代謝、つまり水分を取ってしっかりと汗をかいたり尿として排泄できればいいのですが、様々な理由で摂取している水分が汗や尿に変わらないと、水の取り過ぎによる夏バテが起こります。
 身体がだるくなって、のどが渇くのに水は飲めないという非常に困った状態になりますので、極端に水を飲むのもあまり良くないです。
 そういう状態になったときは素直に病院にかかるのも手ですが、1度試して見て欲しいのが市販されている漢方薬の一つ「五苓散」です。
 五苓散は体内の水分調整をしてくれる働きがあり、めまいや夏バテ、口の渇きなどがあるのに水分が取れないときに活躍します。
 体内の水の状態を調整してくれることから、我が家では熱中症予防として服用することもありますが、漢方薬ではその人にあうあわないが非常に顕著ですので、1度試して見て合わないようなら止めてください。
 また、作用や副作用が気になる人はお近くの病院の漢方外来、または薬局薬剤師に問い合わせてみることをお勧めします。
 最後に、今回ご紹介しているのは「薬」ですので、服用はあくまでも自己責任でお願いします。

輻射熱に気をつける

 暑い日が続きますが、それでも健康のためにということで、早朝や夕方、夜間に散歩やランニングをされる方は多いようです。
 その時に一つだけ気をつけておいて欲しいことがあります。
 それは、アスファルトからの輻射熱。
 アスファルトは熱を蓄える性質があり、地面に近づくほど気温が上がりますので、大人よりも子ども、子どもよりもベビーカーにのる赤ちゃんや散歩しているイヌの方がより暑さにさらされているわけです。
 直射日光を防ぐということでサンシェードを出してお散歩しているベビーカーを見ることがありますが、地面からの輻射熱でベビーカーの中が煮えている可能性もありますので、風通しよくして、温度管理には細心の注意が必要です。
 また、イヌの散歩をするときに、アスファルトからの輻射熱だけで考えれば夕方や夜間よりも早朝の方が安心できると思います。
 ついでに書くと、着用している服も黒いものよりは白いものの方が熱を反射してくれますから、色も意識してもらえるとより安心できると思います。
 アスファルトは熱を貯めて夕方から夜間にかけてゆっくりと放熱する性質があります。そのため、都会では夜間でも気温が下がらないヒートアイランド現象なども起きやすいです。
 あまり意識はしていないかもしれませんが、地面からの輻射熱にも意識を向けておきたいですね。