子どもさんの防寒着を見てみると、大きく分けてもこもこ系とつるつる系にわかれるような気がします。
上着の表面のことなのですが、ふわふわもこもこしている上着を着ている人と、雨合羽にも使えるようなつるつるした感じの上着を着ている人。
結構いろいろなのだなぁと、見ていて面白いものです。
個人的には外側がつるつるで内側がもこもこというのが一番暖かいと思っているのですが、探してみると案外とそういった服がなかったりするので、子どもが外遊びする前提ではないのかなと思ったりもします。
研究所が関係している冬の外遊びでは、寒くない服としてスキーウェアやそれに準じた服を推奨しているのですが、冬の外遊びをあまりしない方はそういった服は持っていなかったりして、なかなかうまくはいかないものです。
撥水の効いたもこもこの外側と、空気を遮断できるつるつるの下地で作れば、おしゃれと暖かさを両立できるような服ができると思うのですが、なかなか難しいのでしょうね。
カテゴリー: その他
応急処置ができますか
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保育園年長組でも、技術があれば大人の心臓マッサージをすることは可能。
年末になって、いろいろなところで事故やけがをしている場面に遭遇することがあると思いますが、あなたは応急処置をすることができますか。
例えば、ひどい出血をしている人や心臓が停止している人に処置ができるだけで、その人の生存確率は格段に上昇します。
救急車や医師が到着するまで命を繋ぐことができれば、あとは専門家がなんとかしてくれます。
救急車や医師は、死ぬか生きるかの瀬戸際の人を救命することはできるかもしれませんが、死んでしまった人をよみがえらせることはできません。
つまり、その場にいる誰かが専門家が到着するまでの命を繋ぐ必要があるのです。
怪我の手当は無理でも、心臓マッサージなら誰でもできます。たとえやる人が子どもであったとしても、やり方を知っていれば心臓マッサージをすることはできるのです。
どんなことでも構いません。あなたが誰かを助けるために、何か一つでもいいので応急処置の技術を身につけておいてください。
それが土壇場で誰かの命を救うことになります。
災害時に助けてもらえる人になるには?
災害時に助けのいる人達については、各地区の作る地区防災計画の中の個別避難計画により対応を決めることになっています。
とはいえ、地区防災計画が作られていないところが圧倒的に多いですし、個別避難計画についても同様で、作らないといけないのはわかっていても、対象者が多くてなかなか先に進まないというのが実際のところなのかなと思っています。
でも、何もしないままでは災害時に助けてもらうことはできませんから、なにか助けてもらうための手立てを考えておく必要があります。
今回は災害時に助けてもらうためにはどうすればいいかを考えてみたいと思います。
1.存在をアピールしておく
同じ町内に長いこと住んでいても、意外と知らない顔がたくさんあるものです。
そして災害時に知らない人は絶対に思い出してもらえませんから、まずはあなたの存在をアピールしておくことが大切です。
そのためには、天気の良い日だけでいいので近所を散歩し、出会った人には必ずあいさつをして何か一言添えること。
話の時間の長さよりも、話をした回数で人を覚えるという方は多いのではないでしょうか。
ちょっとした会話をすることで、相手があなたに興味を持ってくれ、近所に住んでいることを認識してもらえば、第一段階は完了です。
2.助けて欲しい内容を整理しておく
一口に「助けてほしい」と言っても、それだけでは助ける側は何をしたらいいのかがわかりません。
1から10まで全部やらされると思うと、誰でも面倒くさいと感じるのでは無いでしょうか。
そのため大切なのは「自分で出来ることとできないことを整理しておくこと」です。
例えば、外は歩けないけれど家の中の移動はできるというのであれば、いざというときには玄関まで出ているから避難をさせてほしいと具体化すると、助ける側は何をすれば良いのかわかるので手伝いがしやすくなります。
また、あなたが出来ることによっては、助けてもらいたいあなたが誰かを助けることができることがあるかもしれません。
繰り返しますが、できることとできないことを整理してできない部分を具体化し、それを助けてもらうように伝えるようにしましょう。
3.助けて欲しい人に声をかけておく
無理にご近所でなくてもいいかもしれませんが、いざというときに備えて、自分が助けて欲しい人にあらかじめ助けて欲しいとお願いしておきましょう。
一人では無く複数の人に頼んでおくと、助けてもらえる公算が高くなります。
4.助けてあげたいと思う人になる
これが一番重要で、一番難しいところなのですが、周りの人が気になって助けてあげたくなる人になっておくと、何か起きたときに真っ先に気にしてもらえます。
毎日のほんのちょっとしたことで好感度を上げておくと、いざというときに助けてもらえます。
他にもいろいろとあるとは思うのですが、共助で考えると、どうしても地域の他の人との良好な人間関係を作っておく必要があります。
さまざまなしがらみがあっていろいろと難しい部分はあると思いますが、少しだけで良いので周りが助けたいと思うような人になれるといいですね。
想定外に備える
災害は想定外の連続だと言われることがあります。
確かに、様々な対処を準備していても、予想できないことはたくさん起きますし、事前に準備していても結果としてピントがずれているものになっていることもあります。
ただ、災害大国である日本はさまざまな災害の経験知がありますから、それらを上手に活用することで想定外を減らすことはできます。
現在さまざまなところで作られているBCPは、本来予測されるさまざまな事態で普遍的な部分を手順化することで、予測できる部分に備えるという性格のものです。
ただ、このBCPはどうにも両極端になっているようで、誰でも出来る手順書を作成しているところから、「責任者に確認すること」のオンパレードになっているものまで本当にさまざまです。
災害では想定外は必ず起きますが、想定されていた事態に対処できていないと、そこからまた想定外が生まれて収集がつかなくなります。
想定されるような事態は、解決策も事前に用意できますから、手順書を作って誰がその対処をしても大丈夫なようにしておくことで、本当に最初から想定外な事態に対処すべき人が専念できます。
発生するさまざまな事態をまだ被害の小さなうちに対処していくことが、素早い復旧には必要です。
作業手順を細かく仕分ければ、殆どの対処は誰にでもできるようになります。
BCPは、その作業手順書の集合体なのです。
全ての業務を可視化することで、作業工程や手順がわかり、やるべきことに悩む必要がなくなります。
BCPを作るときには、必ず「何をしなくてはいけないのか」と「どのようにするのか」をしっかりと把握し、できる限り細かく手順を決めておくことをお勧めします。
【終了しました】防災おやつ作りを開催します
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たまに発作的に活動をしています防災おやつ作りですが、今回はポップコーン用のとうもろこしが手に入ったので、空き缶を使ってポップコーン作りをやってみたいと思います。
以下の日程で開催しますので、興味のある方のご連絡をお待ちしております。
なお、新型コロナウイルス感染症対策として、参加できるのは予約されている方に限らせていただきますことをご了承下さい。
また、新年1月以降は月に一度防災ご飯づくりを開催する予定にしております。
日程や場所が決まりましたらまたご案内いたしますので、興味のある方はご確認下さい。
イベント名:防災おやつ作り「ポップコーンを作ろう!」
開催日時:2021年12月18日 13:30~15:00頃
開催場所:石西防災研究所敷地内
参加費:無料
持ってくるもの:中をきれいに洗った350mlサイズの空き缶1個
活動内容:ポップコーン用のとうもろこしの実をむしり、空き缶を火にくべてポップコーンを作ります。
募集人員:10名(先着順)
※応募や詳細については、メールにて事務局までお問い合わせ下さい。
四年目に入りました
おかげさまでこのサイトも4年目を迎えることができました。
ご支援下さっている皆様に厚くお礼申し上げます。
任意団体として勝手連的に始めた防災活動が、周囲の応援を得てNPO法人化し、現在活動できているということはとてもありがたいことだと思っています。
今後とも変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。
ところで、最近焚き火がブームだそうですが、焚き火をするときには、火の燃え広がりに気をつけることはもちろん、あなたが着ている服についてもちょっとだけ気をつけて下さい。
冬場にはフリースなどのもこもこした温かい服を着ることがあると思いますが、火を使うときには、できるだけ外側がもこもこしているものや化学繊維は避け、しっかりとした綿で出来ているものを羽織るようにしてください。
火の粉がふわもこした部分に飛び散ると、そこから引火して火だるまになってしまうことが起こり得ます。
もし、万が一火がついたなら、すぐに地面を転がって火を消して下さい。転がれないような地面の場所では火は使ってはいけません。
それから、もし焚き火をするのであれば、大きな火ではなく小さな火を作るようにしてください。
大きな火はあぶられると熱くて近づけませんが、小さな火は身体を芯まで温めてくれます。
実は、あなたが火との付き合い方を知っているかどうかで、あなたが被災した後の生活レベルにかなりの差が出来ます。
防災教育の中でも、火の取り扱い方は結構重要だと思っていて、また、活動の中で取り入れていきたいと思っています。
4年目も、どうぞよろしくお願いします。
輸送を軽視しない
災害が発生して大規模な被害が発生すると、国からプッシュ式と言われる支援物資のお届けが行われます。
必要なものを必要な場所へ限りなく早く、というのがこのプッシュ式の目的ではあるのですが、残念ながら被災地までは届いても被災者までは届かないというのが殆どの自治体の現状です。
支援物資は被災者に届かなければ意味がありません。
では、被災地まで届いた支援物資はどうやって被災者に届くのでしょうか。
通常は中間物資集積場所(以下「デポ」といいます。)が作られて、国からの支援物資はそこへ届きます。
そして、そこで仕分けされて各避難所などの持つ物資集積所(以下「地区物資集積所」といいます。)へ送られ、そこでさらに仕分けされて被災者に届くことになっています。
それでは、これをシステム的に設計している地方自治体の防災計画がどれくらいあるかというと、非常にお寒い状況で、デポと物資集積所の輸送手段については全く考えていない地方自治体もあります。また、考えている自治体でも、宅配業者などと協定を結んでいて、その輸送力を使って輸送する計画にしているので、業者に丸投げ状態。
業者はいつの段階でどこから何がどのようにくるのかを把握できていなければ、受け入れ計画を立てられませんし、業者の施設をデポとして利用する計画になっている場合、発災時点でその施設の中に置かれている荷物をどのようにするのかは考えられているのでしょうか。
デポになるであろう施設は防災計画に明記されていますが、デポから地区物資集積所への輸送手段は特に書かれていないことが非常に多いのです。
被災地でまず最初に不足するのは輸送力ですから、届けられるのを待つのではなく、最悪デポまで受取に出向くような動きが必要になってくるかもしれません。
田舎の場合であれば、最悪地元の軽トラックなどを使うことが可能だと思いますが、それにしても事前にその軽トラックを動かすための燃料や保険、何か起きたときの補償などを決めておかないと、後で揉める元になります。
物資は放っておいたら勝手に運ばれるわけではありません。
デポと地区物資集積所、そしてそこから被災者の手に渡るまでの輸送手段についても、自治体の防災計画や地区防災計画の中で考えておきたいですね。
多目的ってなんだろう
最近あちこちで目にする「多目的」な設備。
有名なところでは「多目的トイレ」があります。
本来は障害のある方も障害のない方も、男性も女性も誰でも使えるトイレという意味なのですが、多目的の意味をはき違えている人もいていろいろと困ったことが起きたりもしています。
それはともかく、災害が起きて避難所が設置されると、やたらと多目的を主張する設備が増えてくるのが困りものです。
食堂兼交流スペースくらいなら全然問題ないのですが、よくあるのが、授乳室とおむつ交換室、それに更衣室が兼ねられているもの。
時間がかかるものがセットにされていると、いつでも何かで使用中になって、他の目的で使いたい人が困ることになってしまいます。
優先順位をつけるといっても、授乳とおむつ交換と着替えの優先順位をどうやってつければいいのか、また、優先する事態で待っている場合には入っている人を追い出すのかなど、多目的であるか故の問題が発生するのです。
![](http://past.sekisei-bousai.org/wp-content/uploads/2019/12/hinansho003.jpg)
利用目的のはっきりしているものや利用者が多いものは多目的にするべきではありません。
目的ごとに部屋を仕切って、その目的のみに利用すること。
そうすることで、同じ目的の利用者が複数同時に使えたり、違う目的の人から文句が出たりすることもありません。
多目的で問題ないのはトイレだけ。
避難所の設計時にこのことを頭の中においておくとよいと思います。
やってみないとわからない
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「訓練しなくても理解しています」といわれる方がそれなりにいます。
話を伺うと、確かに回答は具体的ですし、マニュアルは頭にきちんと入っています。
面白いのは、そういった人に訓練の一コマをやってみてもらうと首をひねるが多いこと。
「こんなはずでは・・・」と言われることが非常に多いです。
例えば、消火器の使い方で見てみます。
消火器は、
1.上部の安全ピンを外す
2.ホースを火元へ向ける
3.放射レバーを押し込む
これで消火器は仕事をしてくれます。
でも、実際にやってみてもらうと、この手順に入る前に消火器の重さに驚く人がいます。
他にも消火器を抱えて運ぶときに落としてみたり、消火器の操作をど忘れしてしまう人、ホースの押さえる場所を間違えて見当違いの方向に薬剤を散布する人など、頭で理解していても実際に動いてみるとずいぶん違うのです。
訓練は、意識しなくても身体が動くように動作をたたき込むことが目的ですが、理解していてもそれだけでは行動はできません。
何事もやってみないとわからないのです。
例えば、とある場所の避難所設営訓練で妊婦さん用に用意された休憩用テントの入口が狭く、かがまないと中に入れませんでした。
実は妊婦さんはかがむのが難しいのですが、男性だけでなく、妊娠・出産を経験した人でさえもそのことに気付いていなかったのですが、たまたま訓練に参加していた妊婦さんがそれを指摘し、その後立ったまま中に入れるテントに変更したということがありました。
これらも、実際にやって該当する人が実際に体験したからこそわかった問題です。
頭の中や図上で考えてみることには限界があります。
組み立てて設計をしたら、実際に訓練をやってみること。それにより、本番のときに必要なものを確実に使うことができるのではないかと思います。
冬の感染症対策
厚生労働省のデータを見ていくと、2020年度の冬はインフルエンザの発生状況がほぼなかったに等しいくらい少なかったそうです。
これは新型コロナウイルス感染症対策として、多くの人が手洗いやマスクの着用、人との接触を極力避けるなどした結果で、多くの感染症の発生が激減しているところからみると、どの感染症であれ、対策は同じということなのでしょう。
アルコール消毒はどこでも見かける普通の光景になりましたが、石けんを使ってしっかりと手を洗うことや、マスクの着用、体調不良時の早めの休息などが習慣化すると、感染症にかかる人は今年も少ないのかもしれません。
ただ、最近ではアルコール消毒があればそれでいいような風潮もあり、新型コロナウイルス感染症の騒動も一応終息しつつあることから考えると、どうかするとインフルエンザが大流行などということになるのかもしれません。
この手の話を書くと、いろいろとややこしいことを言い出す人が出てくるのですが、必要なのは感情論でも出所不明で検証不可の情報でもなく、客観的で誰でも確認できる公開情報からみた知見です。
インフルエンザが流行しなかったことと手洗いとマスク着用の因果関係は新型コロナウイルス感染症が流行る前から比較的しっかりと検証されていることです。
この冬がどうなるのかはわかりませんが、少なくとも手洗いとマスクについては、引き続ききちんと続けておいたほうがよさそうです。
インフルエンザの発生状況(厚生労働省のウェブサイトへ移動します)