非常用持ち出し袋に求められること

 非常用持ち出し袋を作るときには、十人いれば十通りのこだわりが出てくると思うのですが、どんな非常用持ち出し袋を作るにしても一つだけ気をつけておいてほしいことがあります。
 それは、「その非常用持ち出し袋、持って走れますか?」ということ。
 非常用持ち出し袋についてはさまざまなところで書かれていますし、ここでも何度も紹介しているところですが、せっかく作っても持って移動ができなければ意味がありません。
 非常用持ち出し袋を作るときによく言われているのは男性15kg、女性10kgくらいまでとされていますが、これを実際に持ってみるとかなり重たいです。非常用持ち出し袋に詰めるときの詰め方を上手にしないと、普通に詰めたのでは背負っても歩けないかもしれません。
 そこで、非常用持ち出し袋を作るときにはその非常用持ち出し袋を持って避難しなくてはならなくなったとき、それを持って走ることができるかどうかを考えてみて下さい。重たくて走れないというのであれば、自分が背負って走れるくらいまで重量を軽くしておくことです。
 その結果、中に詰めることができなくなるものも出てくると思いますが、ある部分は割り切って考えることも重要です。
 また、小さいお子様がいる場合には非常用持ち出し袋を背負うことができないかもしれません。
 そんなときには、大きなベストを用意して、その中にさまざまなグッズを詰めておくことで、非常用持ち出し袋の代わりにすることもできると思います。
 中身をあれこれと悩む前に、まずは自分が背負って走れる重量を確認するところから始めて下さい。

要支援者の避難を考える

 地域で防災計画を作ると、必ずと言っていいほどつまずくのがさまざまな理由で自力での避難が難しい人、いわゆる要支援者の存在です。
 「自力での避難が難しい=自分避難ができない」という考え方になり、「地域の誰かが避難所へ避難させる」という方法を考えることになります。
 ただ、その要支援者は「自分の力では避難ができない」かもしれませんが、ひょっとすると「自力で避難できないわけではない」かもしれません。
 というのも、例えば訪問介護やヘルパーが来てくれている状態で発災したときには、そういった人達が支援してくれるかもしれないからです。
 また、状況によってはあらかじめ家族や知り合いが支援することになっているかもしれません。
 判断をするのに必要なのは情報です。その人がどのような人でどのような支援を受け、どんな支援が必要なのかということを関係者間で整理しておかないと、無用な混乱が起こることになります。
 要支援者は平常時にはさまざまな職種連携によって在宅生活を維持する仕組みができています。その仕組みの中に防災計画も入れてもらうようにするのです。
 民生委員や担当のケアマネージャーなどの理解がないと難しいことではありますが、これができていないと要支援者の避難計画を作ることがかなり難しくなります。
 関係者を巻き込むことで避難先や安否確認がスムーズにできるようになり、福祉避難所への移転も速やかに行えるようになります。
 要支援者の命を守り命を繋ぐために、常時と非常時の連携もしっかりと考えておきましょう。

避難計画を作ってみよう

前段となる防災マップ作りの一コマ。

 避難計画を作るときは、まず避難経路の検討をするところから始めましょう。
 ただ、前提条件として「全ての災害にオールマイティで使える避難経路はほぼ作れない」ということを知っておいてください。
 その前提を頭の片隅に置いた状態で、とりあえず避難経路を一つ作ってみましょう。

1.防災マップ(避難経路検討用の地図)を作る

 避難経路を決めるときには、住宅地図にハザードマップと避難所の位置を落とし込むところから始めます。
 ハザードマップは面で作っていますが、住宅地図は点で見ることができるので、重ねることで自分の家や周囲の状況が一目でわかります。
 できればこれに標高の色分けを加えると、非常に使いやすい防災マップができあがります。

2.防災マップで家と周囲の避難所の位置関係を把握する

 できあがった防災マップを見て、家と避難所の位置関係及びその間にある障害を確認します。
 崩れそうなところ、水没しそうなところを確認し、避難しやすそうな避難所があるか確認してみます。
 どの避難所も避難するには危険だと考えた場合には、近くの安全そうな場所に一時避難を考えるか、あるいは早めの避難行動開始を検討することになります。

3.避難経路の線を引いてみる

 決めた避難先までの経路を地図に落としてみます。

4.実際に決めた避難経路を歩いてみる

 作った地図を片手に、実際に作った避難経路を歩いてみます。
 実際に歩いてみると、図上では気づかなかったマンホールや側溝、古い家屋やブロック塀が案外多いことに気づくと思います。
 それを地図に落とし込んでいき、地図だけではわからない情報を調べていきます。

5.実際に歩いてみた情報を元に、災害ごとの避難経路を考えてみる

 現地を見て得た情報を使って、想定される災害ごとに危険だと考えられる場所を避けるような経路を考えてみます。
 危険だと考えられる場所を決めるときには、どういう理由で危険なのかを整理しておくとそこを避けるべき災害がわかります。
 例えば、マンホールだと蓋が外れた状態が見えないことにより中に落ちる危険性があります。蓋が外れているかどうか確認できない状態ではそこは避けるべきということになりますから、地震だと夜間、水害では危険だということがわかります。
 こうして整理していくと、考えられる安全な経路がいくつか見えてきますので、災害時にはそこを避難すればある程度安全が確保されるわけです。

 実際に作ってみると、最初に想定していた避難経路が非常時には使えないということがわかることが多いです。
 図上と実地調査、どちらも重要なものですから、しっかりと確認しておきましょう。
 そして、一度作ったら終わりではなく、最低でも年に1回は実際に避難してみて、問題なく避難ができるかどうかを確認するようにしましょう。

自分の安全は誰が守る?

 災害には、地震のようにいきなり発生するものと、水害や台風のように起こることがある程度予測できる災害があります。
 そして、予測ができる災害については行政機関が状況に応じて避難勧告や避難指示を出すわけですが、これらが出たからといって必ずそのエリアに被害が出るというものでもありません。
 ただ、状況が収まるとマスメディアはこぞって行政機関の出す避難勧告や避難指示についてあら探しをします。
 災害の検証という点では正しいのかもしれませんが、結果的に被害が出なかった状況をさも予測できたかのような書きぶりで批判するのはいかがなものかと感じています。
 行政機関が避難指示や避難勧告を出し渋る理由は、避難をさせておいて何もなければ苦情を申し立てる人がそれなりに発生し、また、マスメディアがこぞって批判するのが原因です。
 逆に考えれば避難を自分で判断できて、被害がなかったことを喜べる人ばかりになれば、行政機関は冷静に判断することができるということです。
 誤解されていることが多いのですが、自分の命は自分が守るのは生きていくための基本です。判断を他人に委ねてしまうことはあってはならないのです。
 これはその人が生活要支援者だろうが健常者だろうが、老若男女関係ない基本的なことです。
 何かあったとき、自分の命はどうやったら守ることができるのかをしっかりと考え、起こり得るであろう「何か」に備えておくこと。それが「自助」です。
 もちろん、命を守るための支援が必要な場合もあるでしょうから、必要な支援をお願いしておくことが「共助」です。
 生き残り、命を守ることができて初めて行政機関の支援である「公助」の出番なのです。
 もちろん行政機関が出す避難勧告や避難指示を避難の判断とすることは問題ありませんが、最終的になんの被害もなく不要な行動だったとしてもそれは結果論です。避難しなければならない事象は予測されていて避難する決めたのは自分なのですから、避難勧告や避難指示を出した行政機関を責めるのは筋が違います。
 自分の安全は自分で守ってください。
 そのための判断基準の一つとしての避難勧告や避難指示だということは忘れないようにしたいですね。

BCPとタイムライン

 防災関係で最近よく耳にするようになった言葉に、「BCP」と「タイムライン」があります。
 どちらも災害に備えて作っておくものですが、中身は少し違っています。
 今回はBCPとタイムラインの違いについて考えてみたいと思います。

1.BCPとは?

 BCPはBusiness Continue Planの略で、日本語では事業継続化計画と言われるものです。
 難しい言葉ですが、その内容をわかりやすくすると「災害前にどのように被害を防ぐか」「災害発生時にいかに被害を減らせるか」「災害後にいかに速やかに被害前の状況に戻せるか」の三つを決めておくということです。
 一例をあげてみます。
 まず、地震に対する被害を防ぐ方法として「タンスを固定する」行動をしたとします。
 その結果、地震発生時にタンスが倒れるという被害を防ぐことができ、もしかするとタンスのある空間にいたかもしれない人も助かりました。
 タンスが倒れるという被害を防げたことから、けが人を防ぐことができ、散乱したタンスの中身を迅速に部屋の中のお片付けができるようになった。
 こんなイメージでいいと思います。
 一つ一つ被害が起きそうな原因を特定して対策をし、その災害で受ける影響を可能な限り低減するのが目的なので、施設や人員の追加や移動などがあった場合には必ず見直しが入るものです。

2.タイムラインとは?

 タイムラインとは、日本語では行動計画と言われるものです。
 災害に関していえば、災害が発生したときに命を守るための行動とその行動を起こすための鍵を決めておくことです。
 一例をあげてみます。
 大雨で災害が起きそうな状況になっているとき、レベル3「避難準備・高齢者避難情報」が発表され、近くの高台の避難所へ避難したと考えてください。
 この場合、命を守るための行動が「近くの高台の避難所へ避難する」ことで、その行動を起こすための鍵が「レベル3発表」ということになります。
 タイムラインを作るときには避難情報の中にある「住民が取るべき行動」が参考になりますので、それを参考にすると作りやすいです。
 一度作った後、実際に避難行動をしてみて内容を変更していきます。大きな変更はないかもしれませんが、見える場所に貼っておくなど常に意識できる状況を作っておくことが重要です。

3.BCPとタイムラインの違い

 タイムラインはBCPの中の一部、「災害発生時に人的な被害をいかに減らすか」という部分だけを切り出しているものだと考えるといいと思います。
 当研究所では、避難計画についてのご相談をいただくと、まずタイムラインを作るようにお勧めしています。これはタイムラインができればそれに合わせる形でBCPを作ることが可能だからです。
 BCPではいかに被害を防ぐか、被害を低減させるか、そして被害前の状況に戻せるかということまで検討しないといけませんが、タイムラインはシンプルに「命を守るための行動計画」を考えればいいので、取っつきやすいと思います。
 タイムラインができてから、その前後の被害の防止、物的被害の低減、被害からの復旧について決めておくとBCPも作りやすいです。
 また、タイムラインは災害種別毎に作った方がいいのですが、とりあえず一つ作ってみることでどのように作ったらいいのかがわかります。そして、タイムラインは居る場所によっても異なってきますので、例えばおうちにいるときだけでなく職場や学校にいるときにはどうするかということも決めておくとよいと思います。

 いかがでしょうか。BCPとタイムラインは似て異なるものですが、どちらも作っておいた方がよいものです。
 施設や学校ではBCPは必ず作らなければいけないものとなっていますが、中身を見ると本当にそれができるのかと首をかしげるようなものや、「誰が決定する」としか書いておらず、その決定者が不在の場合には決められないような不完全なものが多いです。
 BCPにしてもタイムラインにしても誰もが見て同じ行動ができるようにまで具体化しておかないと意味がありません。
 そのことを念頭において、まずはタイムラインから作成してみてください。
 なお、当研究所でも作成のお手伝いはしておりますので、何から手をつけたらいいのか悩んでいたり具体化についてうまくいかないなど、何かありましたら一度お問い合わせいただければと思います。

作った計画はできるかどうかを検証しておこう

 マイタイムラインやBCPなどを作りましょうということでさまざまな場所でいろいろな講習会や説明会が開かれています。
 そこで出来上がった計画は非常に優れていて被災しても命はきちんと守れるというものになっているのですが、それが実際の行動に移せるのかというと、ちょっと難しいのではないかというものを作っていることも多いです。
 マイタイムラインやBCPは非常時に命を守ることが目的となっています。BCPの場合にはこのあとの復旧も記載しておかないといけませんが、その策定計画に無理がないかを、一度しっかりと確認してみてください。
 よくあるケースとしては、マイタイムラインで特別警報が発表されたら自動車で川向こうの高台の避難所に避難するといったものがあります。
 「特別警報が出たら」「高台の避難所に避難する」は問題はありませんよね。
 ここで問題になるのは「自動車で」「川向こうの」という部分です。特別警報が出ているような状況だと、河川が氾濫危険水位もしくは氾濫している可能性が大きいです。
氾濫しそうだと通行止めになりますし、もし氾濫していたらそもそも通行できません。
自動車で突破しようとしても、川の流れに車ごと流されてしまう可能性もかなり高くなりますから、手順を考える必要があるわけです。
 このケースだと、「特別警報」ではなく「氾濫注意水位情報」にしておくと、他を変更しなくても安全に避難することが可能になります。
 もしも「特別警報」を避難判断の基準にするのであれば、「自宅の2階以上の部分」や「近くの高い建物に歩いて避難する」ようにした方が安全だと考えます。
 特別警報が発表されるときには、すでにそのエリアでは災害がどこかで起きていると考えた方がいいですから、家の周囲で水が溢れている状態ということを想定して避難計画を組んでおきたいところです。
 また、「非常用持ち出し袋に1週間分の食料と水を入れて歩いて避難」というのも見たことがありますが、それを持って避難しようとすると、一人分であっても自力でもって移動することは困難だと思います。
 実際に実行できる計画というのは、作った後に実際に行動してみてうまく行くかどうかをきちんと確認しておかないといけません。
 作ったことで満足するのではなく、実際にその作った計画が実施できるのかについて一度やってみて、できない部分を手直しし、本当に使えるものにしていきたいですね。

笑いでストレスを飛ばそう

 災害に遭うと、さまざまな不安からどうしても暗い表情になってしまいます。
 日本には空気を読む文化がありますので、大規模災害ともなると、日本中が一様にくらーい雰囲気に包まれてしまってどうにも居心地が悪くなってしまいます。
その上「笑うことは被災者に失礼だ」と、お笑い芸人などにクレームをつける自粛警察の方々が出てくると、笑いを届ける人達が萎縮してしまっていつまでも笑顔が戻ってこない状況になります。
 でも、災害やその後のさまざまな心理的負担に耐えるには、笑うことが重要です。
 笑うことでストレスをはねのけ、気分を切り替え、精神的な元気を維持することは、被災地の復旧復興のためにはなくてはならないことなのです。
 被災地で笑いを届けることは不謹慎だという方もいらっしゃいます。被災地の中でさえ、そういったことをいう方もいらっしゃいます。
 確かに、被災直後に笑えというのは無理な話だと思います。でも、災害との戦いはほぼ長期戦になりますので、難しい顔ばかりしていると身が持ちません。
 笑うことで不安を一時的にでも忘れ、心の均衡を取り戻すことは非常に大切です。
 別に面白い話を聞いて笑わないといけないということではありません。大きな声で笑うこと。大事なのはそこです。
 どうにもならないときには、人目につかないところで大きな声で思いっきり笑ってみてください。おかしくなくてもいいのです。とにかく笑い声をあげること。
 何がどう変わるわけではありませんが、気分的にすっきりします。笑ったという事実が心を軽くするのです。
 被災後に限りません。悩んだときや困ったときなどにも、一度だけで良いので大きな声で思い切り笑うことを試してみてください。特に現在コロナ禍で最近笑ったことのない人がやると大変効果的です。
 本当にすっきりとしますよ。

大波と津波の違いを知っておこう

津波の怖さについてはいろいろと語られているところではありますが、大波と津波の違いについてはご存じですか。
同じように思われているこの二つですが、同じ大きな波でも発生原因も構造も実はかなり異なります。
今日は大波と津波の違いについて確認しておきたいと思います。

1.大波が起きる原因

大波も津波も自然現象の結果発生するところは同じですが、原因となる現象は異なります。
大波は台風や低気圧と言った大風を起こす気象現象によって海水が風に押されて発生するもので、高い波が短い周期で次々に来るのが特徴です。
気象条件が穏やかになるとすぐに収束するのも、この大波の特徴と言えるでしょう。
少し離れた場所で起きた気象現象により起きることもあるので、その場の天候が晴れていても大きな波が来ることがあります。

2.津波が起きる原因

 津波は海上や海中の地形が何らかの原因で大きく隆起したり窪んだりすることによる海水の移動が原因で発生する現象です。
 例えば海端の火山や海中火山の噴火、海溝型の地震や地殻変動による隆起、陥没といったものが発生すると、水が一気に動くことになるので一気に大量に遠くまで水の塊が移動することになります。
 そのため、発生地から同心円状に津波は広がっていくのが特徴です。もちろん気象条件を問わずに発生します。

3.大波と津波の違い

 発生方法が違うことはご理解いただけたと思いますが、その発生方法の結果、大波と津波では持っている波の強さが大きく異なっています。
 イメージとして、簡単な図を書いてみました。


 大波は水の表面だけが動くので、高く大きな波でも堤防や防波堤などで力を大きく弱らせることができます。
 でも、津波の場合には水全体が移動するので、堤防や防波堤では力を大きく弱らせることができません。大きい物になると堤防も防波堤も破壊されてしまいます。
 同じような高さの場合、大波では避難する必要がなくても、津波では急いで避難しなくてはいけないのは、その力の違いによるものだと考えておけばいいと思います。
 東日本大震災では、津波が到達する模様を空から撮影した物がたくさん残っていますが、いずれも海そのものが隆起して移動しているのがわかるものになっていますので、興味のある方は調べてみてください。

 いかがでしょうか。大波と津波の違いについてなんとなくでもいいのでイメージできたでしょうか。
 大波のときにはあまり水位に変化は見られませんが、津波が来るときには場合によっては浜や港の水が一時的に無くなったり水位が極端に下がったりすることがあります。
 そういった現象を見たら、とりあえず可能な限り高台へ逃げるようにしてください。
 スマトラ島沖地震では、津波のために一時的に浜から水が引いたため、飛び跳ねていた魚を拾ったりして逃げ遅れた人達もいたと聞きます。
 自分の安全は自分で守る。そのためにも災害が起きるメカニズムも知っておいてほしいと思います。

非常用持ち出し袋の中身と普段の生活

 非常用持ち出し袋の中身についてはたびたび触れているところですが、中身に迷うときには、自分の普段の生活を思い返してみてください。
 いつ、どんなときに何をしているか、どのようなときに何を使ってどんなことをしているか、まずはそれを考えてみてください。
 その上で、その生活習慣は避難先でもしないといけないことなのか、やったほうがいいことなのか、やらなくてもいいことなのかを整理します。
 やらなければいけない、やったほうがいいと判断すれば、それに必要なものは準備しておかないといけないということになります。
 ここで注意したいのは、やらないといけない、やったほうがよい、やらなくてもいいはあくまでも主観です。他の人の意見を考えるとうまくいきませんので、そこだけは気をつけてください。
 さて、準備をするとき、それらのものが非常用持ち出し袋に詰めておくと困るようなものであれば、非常用持ち出し袋を普段自分が使う場所へ移動させ、その中から出し入れをするようにします。
 そうすることで、非常用持ち出し袋の位置も把握できますし、いざというときに探さなくてすみます。
 避難生活はどれくらい普段の生活の質を維持できるかで快適性が変わります。
 非常用持ち出し袋を自分が持って歩ける範囲で、という前提にはなりますが、普段から自分の生活を考えておいて、非常用持ち出し袋の中身を備えるようにしてくださいね。

ヘルプマーク・ヘルプカードをご存じですか

 見た目では判断がつかない身体の内部の障害や難病の人、妊娠初期の人など、援助や配慮が必要だが見た目ではわからない人が身につけ、周囲に援助や配慮が必要であることを知らせるためのものです。
 東京都が考案して全国に普及されてきているそうですが、残念ながら筆者自身はまだ本物を見たことがありません。ただ、調べてみると島根県でも障がい福祉課がこのヘルプマークやヘルプカードの普及を行っているようです。
 ヘルプマークは、赤地に白い字で十字マークとハートマークが掲載されています。そして裏面には、その人がどういったことで援助や配慮が必要なのかという記載がされています。
 ヘルプカードも同様で、このカードの中に支援が必要な内容が書かれていますので、もし障がいのある人からこれらのものが提示されたら、記載されている内容に沿って支援をして欲しいとのこと。
 また、これらが併用される場合もあるようですので、もし提示されたらマークの裏側やヘルプカードの有無を確認をしてください。
 災害時には情報がうまく伝わらない・伝えられないことが数多く発生しますので、こういったことを知っておいて、いざというときにその人を助けることができるといいなと思います。
 内容など詳しいことについては、島根県障がい福祉課のウェブサイトをご確認ください。

ヘルプマーク・ヘルプカードについて」(島根県障がい福祉課のウェブサイトへ移動します)