非常時に一つの道具にさまざまな機能を持たせておくのは大切なことだと思います。
なかでも、ポリ袋は非常にいろいろなことに使えるので準備をしておくことをお勧めします。
調理や洗濯、保存、臭いの出るものの処分、空気で膨らませれば断熱材など、あっても困るものではありませんので、ある程度数を準備しておくことが重要です。
ただ、準備する際に気を付けてほしいことがいくつかあります。
一つは、耐熱温度を確認しておくこと。
現在市販されているポリ袋は低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンに分かれています。
低密度ポリエチレンの場合、耐熱温度は80度程度であり、湯せんに使うことができません。また、酸素を透過することから酸化しやすいものの長期保存にも向きません。
高密度ポリエチレンは耐熱温度が100度以上あるため湯せんに使えますし、酸素の透過も少ないことからある程度の保存にも使うことができます。
どちらも低温の耐性はありますので、袋の温度表示が低温のみの場合には、低密度ポリエチレンと考えたほうが無難です。
高密度ポリエチレンの場合には、耐熱温度の表示があることが多いですので、そういった商品を選ぶといいと思います。
高密度ポリエチレンはその特性上若干白みがかっていて完全な透明ではありません。また、触ったときにカサカサ音がしますので、ちょっと音が気になる人がいるかもしれません。
ちなみに、食品保存などでよく出てくるジップロックですが、袋のものは低密度ポリエチレンのため湯せんには向きません。
ポリ袋の特性を知ったうえで、非常用持ち出し袋などに常備するようにしたいですね。
カテゴリー: 食べ物
チョコとようかん
甘くて高カロリーで持ち歩きが容易ということで、非常食などに準備されていることの多いチョコレートとようかん。
お好みにより準備すればいいと思いますが、チョコレートは糖分と脂分、ようかんは糖分の補給が可能です。
体調が万全であれば高カロリーのチョコレートがエネルギー補給にはいいと思いますが、低体温になっていたり体調が弱っている場合には、チョコレートは体に負荷をかけてしまいますので注意が必要です。
ようかんは糖質で構成されているので体への負荷はチョコレートに比べると軽いです。熱にも強く、ある程度の期間保存することも可能なことを考えれば、非常食として準備するのであればようかんの方が向いている気がします。
ただ、ようかんは苦手という方もいらっしゃいますし、どうかするとお茶が欲しくなったりしますので、準備をするときにはようかん単品で自分がそれを食べられるかどうかを試しておく必要があるでしょう。
練りようかんよりも水ようかんの方が単品での接種はしやすいと思いますが、保存期間は水ようかんの方がかなり短いので悩ましいところではあります。
ともあれ、非常時に手軽にエネルギーを摂取することのできるチョコレートやようかん。非常食の一つとして準備しておくといいと思います。
72時間と備蓄のこと
災害時の各家庭の備蓄について、最低3日間準備しろという話は聞いたことがあると思います。
南海トラフ巨大地震などの話が注目されてからは7日間に延ばされていますが、この最低3日間というのにはきちんとした意味があります。
3日間とは72時間。現在トルコ・シリア国境付近で起きた大きな地震でも取り上げられていますが、人命の救命率が極端に低下するのがこの72時間なのだそうで、発災から72時間は行政の全ての機能は人命救助に振り向けられます。
国際緊急援助隊が被害甚大とわかってすぐに出発したのは、とにかく早く現地入りして一人でも多くの人を救助するためで、生き残った人に必要となるテントや各種資機材はそのあと準備が整い次第送られることになっています。
つまり、どこの国であれ、怪我無く生き残れた人はとりあえず置いておいて、怪我をした人たちや生き埋めになった人たちを救助することに全力が注がれることになるのです。
怪我無く生き残れた人たちへの対応は、けが人の処置が終わって、恐らく生存者はもう期待できないという状況になって初めて本格化します。
ですので、人命救助に行政の機能が注がれている間は怪我無く生き残れた人は自力でなんとかするしかありません。
そういった理由から、最低3日間自助でなんとかできるだけのものを準備しておく必要があるのです。
とはいえ、実際に大災害が起きると3日ではどうにもならない場合も出てくるでしょう。そのため、現在内閣府防災では7日間程度の備蓄をするように国民に呼びかけているのです。
たすかった人たちの命を守ることも重要ですが、そのまま放置すれば失われる命をなんとか助けなければなりません。
あなたが準備している非常用持ち出し袋や備蓄品で、最低3日間の生活維持ができますか。また、もしものときにはどういった行動をとりますか。
トルコ・シリア国境での地震の状況は毎日マスコミ報道がされていますので、もしこのような事態が自分の周りで起きたら自分がどうするのかをしっかりと考えておきたいですね。
【終了しました】研修会「調理師が教える簡単・おいしい非常食づくり」を開催します
災害後に大きな問題の一つとなるのが温かいおいしい食事です。
今回は調理師である秋田瑞穂様を講師にお招きし、カセットコンロを使って、簡単に複数の料理を同時に衛生的に作ってみます。
災害などに限らず、日常生活でもちょっとした節約になるアイデアがありますので、興味のある方は是非お申し込みください。事前申し込みで先着順となります。
なお、今回の会場には駐車場がありませんので、車でお越しの方はお近くの有料駐車場をご利用ください。
詳しくはチラシをご覧いただき、不明な点は事務局までお問い合わせください。
小学校3年生未満のお子様は、保護者の方とご参加をお願いします。
おかゆを鍋で炊いてみる
明日は七草がゆの日です。
胃腸への負担を少なくし、体の調子を整えるためにおかゆを食べるのですが、由来については諸説あるようではっきりとしません。
ただ、せっかくおかゆを食べるのであれば、鍋で作ってみてはどうでしょうか。
災害時にはカセットガスで食事を温めることになりますが、カセットガスでおかゆを炊いてみるのです。
ご飯を炊くのは難しくても、おかゆはあまり失敗がなく炊くことができます。
当研究所のやり方は、
1.ご飯1に対して水5を準備
2.鍋に1の水を入れてから研いだお米を加え、30分まつ
3.鍋にフタをして火にかける。火力は強火。
4.沸騰したらフタを外して弱火にし、柔らかくなるまで炊き上げる
5.七草は別茹でしてから塩をかけて刻み、水気を絞って炊きあがったおかゆに加えます。
途中でかき混ぜてしまうとねばっこいおかゆになることがありますので、火力調整で焦げ付かないようにします。
少し厚手の鍋なら、焦げることはあまりないと思います。
作り方はいろいろとあると思いますが、せっかく作るのであれば非常時の練習を兼ねて鍋を使っておかゆを炊き一年の平穏を願ってみるのも面白いのかなと思います。
火を作る
災害時にはいろいろなことに使える火は絶対に確保すべきものの一つになります。
停電し、カセットガスなどがない状態では裸火を使うことになりますが、普段からその取扱いになれていないとせっかく作った火から出火することになって余計な被害を増やすことにもなりかねません。
常にやれとは言いませんが、チャンスがあれば薪などを使ったたき火を作って火の使い方を習熟するのと同時に、火を楽しめればいいと思います。
残念ながら野焼きは禁止になっているところが殆どだと思いますので、キャンプ場や火の管理のできる場所で、実際にやってみてください。
火の作る方などはユーチューブなどにいろいろ出ていますので、それらを見て覚えて、いろいろなつけ方をやってみてください。
ちなみに、当研究所でも外遊びごはんの会などでファイアスターターを使ってたき火を作ることがありますが、実際にやってみると大人よりも子供のほうがはるかに上手です。機会があったら、ご家庭で親子でチャレンジしてみても面白いと思いますよ。
非常食を食べ比べてみる
災害時の非常用持ち出し品に入っている非常食。
アルファ米や缶詰、レトルト食品などさまざまだと思いますが、あなたはそれを実際に食べてみたことがありますか。
気分の沈んでいるときや不安な時にはちょっとでも元気をつける必要がありますが、その元気のでる代表的なものの一つが食事です。
普段食べなれているものや、普段あまり食べられない好物などをこういったときに食べると、案外と気力が持つものです。
でも、口に合わない食事を毎食食べると考えてみたらどうでしょうか。
恐らく、食事が気分が落ち込んでしまうものの一つになってしまうのではないでしょうか。
ちょっとした気分の落ち込みかもしれませんが、少なくとも食事は一日何回も食べることになりますから、そのたびにちょっとずつ落ち込んでいくと、ちょっとやそっとでは復活できないくらいになってしまうと思います。
食べなれたものを食べるのが一番いいのですが、どうせ非常食を準備するのなら、さまざまなメーカーのものを食べ比べてみることをお勧めします。
缶詰やレトルトパウチ、アルファ米など、非常食を作っているメーカーさんはかなりありますが、各社とも自社が一番おいしいと思う味付けで売り出しています。
そのため、同じ名前の商品でも味が全く違うことがあるのです。
つまり、一つ食べておいしくなかったとしても、他の会社なら好みの味があるかもしれないのです。
もちろん結果的にすべてのメーカーがダメなひともいると思いますが、各社を食べ比べして、自分の好みの味を探すというのも楽しみの一つではないでしょうか。
ちなみに、最近ではアルファ米もさまざまな味が出ていますし、一昔に比べるとかなり味もよくなっています。
また、売っている場所も増えてきていますから、買い物に出かけた時にでも探してみて、もし見つけたなら、実食してみてはいかがでしょうか。
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防災ポーチと防災ボトル
手軽に持ち歩ける防災アイテムとして「防災ポーチ」というのがあります。
マスクやエマージェンシーブランケット、お手拭きや懐中電灯、ホイッスルなどが小さなポーチに入っているのですが、最近は防災ボトルというのが発売されています。
プラスチックの飲料用ボトルを収納容器につかって、中に防災ポーチと同じようなアイテム類が収められているもので、防災ポーチに比べると場所を取りますが、重要な問題の一つである「水」を確保する容器がついている非常に実用的なアイテムだと思います。
学校や外回り用のカバンであまり大きな空間が確保できない場合には防災ポーチ、お出かけカバンなどで収納に余裕があるのであれば防災ボトルと、持ち歩くカバンに併せて作ってみるといいと思います。
どちらもあまりたくさんは入れられませんので、必要と思うアイテムを厳選し、どこにでかけるときでも最低限の防災用品が備わっているようになっているといいですね。
ちなみに、12月18日に開催する「持ち出し用防災セットを作ろう」では、ポーチかボトルのどちらかを入れ物に選んで作成を行います。イメージがしにくかったら、そういった企画に参加して確認してみるのもいいと思います。
使うか使わないか、使えるかどうか
非常用持ち出し袋のことは防災の話をするときには必ず出てくるものですが、あなたは準備をしていますか。
市販品もさまざまな種類や内容で作られていて、それさえ備えれば準備ができたような感じがして安心できます。
もちろん、一つ一つ自分が吟味したアイテムで作る非常用持ち出し袋なら、何が入っているのかが把握できているので安心できます。
ただ、どちらにしても大切なことが一つ。
それは「そのアイテムはちゃんと使えますか」ということです。
非常用持ち出し袋ではさまざまな便利アイテムが入れられていますが、多機能すぎてどうやって使うのかわからないものや、それなんで入ってるのといったものがセットされていることがあります。
非常用持ち出し袋の一覧表には、基本的にそのアイテムをどうやって使うのかまでは書かれていないことが多いので悩んでしまうこともあるのですが、自分が使いかたのわからないアイテムは使わないと考えてください。また、居住環境によって備えないといけないアイテムもさまざまに変わっていきます。
市販品であれ、オーダーメイドであれ、非常用持ち出し袋を作る時にはそれがどんな時にどんな使い方をするものなのかをきちんと確認して、自分が納得してからアイテムに加えるようにしてください
【試してみた】牛丼缶を食べてみた
牛丼缶というのがあります。
牛丼で有名な吉野家さんが販売しているものですが、「非常用保存食」となっているとおり、災害時の食事としても使えるように冷たいままでも食べられるようになっているそうです。
冷めた牛丼というとべっとりとして油が固まっていて食べられないという印象なのですが、本当においしく食べることができるのか。
気になったので買って食べてみることにしました。
お値段は、牛丼として考えるとかなり高いですが、非常食として考えたら妥当かなと思うくらい。
缶切り不要のプルトップ缶で、開けるのは簡単です。
開けてみると、イメージしたような冷たくなった牛丼が登場。
温めたほうがよかったかなと思いながら、食材を箸で持ち上げてみると、案外と簡単に持ち上がります。
たれはごはん全体にまぶされているような感じです。
食べてみると、最初の一瞬、油のざらっとした触感を感じるものの、口内の体温で油が溶けてちゃんと牛肉の味がします。
非常食なので、栄養のバランスを考えてのことだと思いますが、ご飯は麦飯。食感はプチプチします。
筆者は麦飯が大好きなのでご機嫌でしたが、苦手な人は食べにくいかもしれません。それくらいしっかりと麦飯です。
おやつくらいの分量かなと思っていたのですが、食べてみると結構満足感があります。ご飯が麦飯なのでしっかりと噛むというのもあるのかもしれません。
缶詰なので、汁漏れを気にせずどんなところでも食べることのできる牛丼。
麦飯好きな人、牛丼好きな人は非常食として一度試してみてはいかがでしょうか。
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