消火器を備えていますか

 火災の時にとても大切だと言われているのが初期消火です。
 どんな火でも最初は小さいですから、他に燃え移る前に消せれば火事になることを防ぐことができます。
 消火方法はいろいろと言われていますが、誰にでもできて確実に消そうとすると消火器が一番確実です。
 後片付けの問題はありますが、火事でさまざまなものを失うことを考えれば許容範囲だと思いますが、あなたの家には消火器が備えてありますか。
 また、備えている消火器の使用期限は大丈夫ですか。
 使用期限を過ぎたり、外観が痛んでいるものは速やかに交換をしてください。
 最近では消火器を取り扱っているホームセンターなどでも回収してくれるみたいですから、更新するときに相談してみてもいいと思います。
 そして、使い方も覚えておきましょう。
 慣れると簡単なのですが、間違って消火剤を撒かないように、消火器はその手順を守らないと消火剤を発射できないようになっています。
 備えて使えるようにしておくことで、おうちの安全を高めることができますから、一家に一本、備えてみてはいかがでしょうか。

【活動報告】第3回高津小学校防災クラブを開催しました

 去る7月14日、益田市立高津小学校で第3回の防災クラブを開催しました。
 身体を動かすような活動がしたいとのリクエストが子ども達からあったので、今回はグループ分けして目隠し避難とあるものテント設営を体験してもらいました。
 目隠し避難は、目隠しをした子どもを他の子ども達が拍手や声で避難口まで誘導するもので、途中に机や椅子があって素直に移動できない状態にしてあり、あちこちにぶつかりながらの避難を体験。

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 目隠ししている人も誘導する人も見ている人も、「見えない」ということが結構大変なのだということを感じてもらえたようです。
 後半では、ツェルトと呼ばれる非常用簡易テント、それとレジャーシートを使って教室内にあるものを使っての居場所作り。
 テントを屋根にして机や椅子で壁を上手に作り、それぞれに魅力的なテントが設営されましたが、途中でゴミ箱を2つの班で取り合い、横倒しになった拍子に中の液体が漏れて周囲が大惨事に!
 「避難所あるある」ということで、資材は中身まで確認した上で設営に使うことや取り合いをすることによって雰囲気が殺伐となった避難所はその後も非常にトラブルが起きやすいことなどを説明しました。

レジャーシートと机と椅子で居場所づくり。いろいろとアイデアが出てくる。

 また、ツェルト班は高学年で編成していたのですが、途中卒業写真の撮影が入ったりして設営まで至らず、ちょっとだけ残念な状態で終了しました。
 最後にちょっと聞いてみたのですが、前回一緒に作った経口補水液を家に帰ってから作ってくれた子が結構いたことがわかり、ちょっとうれしかったです。
 もうすぐ夏休み。体調管理をしっかりして、夏休みを楽しんでもらいたいなと思いました。参加してくれた子ども達、そして担当の先生にお礼申し上げます。

【終了しました】防災研修会を開催します。

 最近あちこちで災害が起きていますが、あなたがお住まいの地域の避難所はどのように準備し、どのように立ち上げたらいいか決まっていますか?
 避難所運営のイロハについてはさまざまなところで研修がされていますが、では、避難所設営の方法やどのような事前準備をしたらいいのかについて考えてみたことがあるでしょうか?

 今回はわかりきっているようで、改めて確認してみると割と漏れのある避難所の設営について「避難所設営、基本の「き」」というタイトルで、座学で一緒に勉強してみたいと思います。
 よく「段取り7割」といいますが、避難所の設置者が事前準備をきちんとしておくだけでいざというときに慌てなくて済みます。
 また、自分が避難所に避難したときに、設営方法を知っておくと段取りよく混乱なく開設をすることもできます。
 内容の詳細や申し込みにつきましては、当研究所のお問い合わせメールによりお願いいたします。

開催日時:2021年 8月28日(土)10:00~11:45
開催場所:益田市市民センター第103会議室(益田市元町)
募集人員:10名
募集方法:事前申し込み。定員になり次第締め切りとします。

参加費:500円(会場使用料、資料代)
携行品:施設運用をされる予定の方は避難所・避難場所予定施設の各部屋の寸法のわかる見取り図をご持参ください。
    
開催内容:1.避難所・避難場所の違い
     2.避難所を作るための下準備(個人編・施設編)
     3.実際に運用してみよう(HUG体験)

講 師:石西防災研究所・伊藤(防災士)

【お知らせ】子ども達と地域の安全点検をしてみませんか?

 当石西防災研究所が実施する防災メニューの中に、「地域の防災マップづくり」というのがあります。
 地域を子ども達と巡って安全な場所、危険な場所、役に立つ場所を見つけて地図を作成していくのですが、普段使っている通学路をそういう視点で見るとかなり違って見えるようで、子ども達には好評価をいただいています。
 そろそろ夏休みに入りますが、夏休みの共同自由研究や地域、団体の行事の一つとして、地域の防災マップづくりをしてみてはいかがですか。
 現在、全国損保協会様主催の「小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」が開催されており、防災・防犯・交通安全など、地域の安全・安心に役立つマップづくりに必要な資機材の提供を受けることができます。
 作成した地図はコンクールに応募する必要がありますが、参考になる資料も多く、初めてでも取っつきやすい内容だと思っています。
 詳しい内容については「小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」のウェブサイトをご覧下さい。

ぼうさい探検隊特設サイト(日本損害保険協会のウェブサイトへ移動します)

 この防災マップづくり、やればやるほど地域が見えてくる面白い取り組みですので、興味のある方はぜひ一度チャレンジしてみてください。
 余談になりますが、当研究所でも防災マップづくりを行っていて、このコンクールにも過去2回応募して応募者全員がかならずもらえる参加賞をいただいています。
 やり方や手順、講師派遣などについてもご相談に乗れることがあると思いますので、当研究所と一緒にやってみたいと思われる方がおられましたら、お問い合わせ先からご連絡をください。
 なお、講師派遣については講師の都合により行けるところ行けないところがございますので、ご希望に添えないことがありますことを予め申し添えます。

学校の危機管理

 文部科学省が各学校が持っている(はずの)危機管理マニュアルの見直し作業をするように通知を出しました。
 ただ、そうでなくても忙しい学校の教員にその作業ができるかどうかは正直疑問です。
 ちなみに、筆者が知っているいくつかの学校の危機管理マニュアルは、やたらと「適切に対応する」という文字が踊っていて、具体的には学校長を始めとする管理職のその場の判断に委ねています。
 こういったマニュアルだと管理職の存在や能力に依存することになります。管理職が優秀なら臨機応変に動けてよいのですが、管理職が事なかれ主義だったり、学校に不在の際に発生した危機については誰も対応ができないというまずい状態を招きます。
 でも、事細かく手順を書いておけばいいのかというと、そういったマニュアルではまず読んでもらえません。読んでもらえないならまだしも、最初から存在していないことにされてしまうこともよくあります。つまり、読んでいないマニュアルは普段存在していないのです。
 言い方は悪いですが、「あり得るかもしれない危機」は、毎日さまざまな「目の前の危機」に追われる教員の中では優先度がかなり低いのです。
 正直なところを書けば、マニュアルは現状でいいので教員の危機管理能力を底上げするのが一番いいのですが、今の状況を考えると望み薄です。
 そう考えると、子ども達の危機管理能力を上げていくしかありません。
 子どもに特化すれば、学校に頼らなくてもさまざまな場面でさまざまなやり方を使って教えていくことが可能ですし、子ども達の能力を嵩上げしていけば、やがて日本全体の災害対策が底上げされていきます。
 それで対応していくしか手がないのではないかという気がしています。
 もう一つ、教員は教育の専門家ではありますが、危機管理の専門家ではありません。
 学校の危機管理をまじめにやるのであれば、危機管理に長けた専門家を配置することも必要です。
 マニュアルだけ立派にしても、それが必要な状況になったときには役にたちません。
 とりあえずは、教員が危機管理ができるくらいの心の余裕が作れるような状況に環境を整えることが先決ではないかなと感じているのですが、あなたはどう考えますか。

【活動報告】高津小防災クラブを開催しました

 去る6月16日、益田市立高津小学校で2021年度第2回目の防災クラブを開催しました。
 今回のテーマは「熱中症対策を考える」。
 「熱中症とは何か?」に始まり、「熱中症の症状」や「熱中症への対応法」、「熱中症にならないための予防法」などについてクイズを交えながら説明しました。
 後半では経口補水液を手作りしてみてもらいましたが、450mlに対して3gのスティックシュガーを9本(27g)という量にびっくりしていました。
 普段飲んでいる炭酸ジュースはもっと入ってるよというような話になり、麦茶とかお水がいいのかなといった質問が出たりと、微妙に食育のような内容になりながら経口補水液を作ってもらい、できあがったら試飲してもらいました。


 「スイカみたいな味がする」「べっこう飴?」「甘すぎて飲めない」など、さまざまな感想がでましたが、塩の加減(1.5g)を指のつまみ方で説明したので味がまちまちになってしまったようです。
 腐敗が怖かったので、完成後はみんな処分してしまいましたが、作り方を持って帰ってくれたので、家でも作ってみてくれるといいなと思います。
 暑い時期、子ども達だけで遊ぶこともあると思いますが、熱中症が起きないように、もし起きても重症化させないように、一緒にやった内容を覚えていてくれたらいいなと思います。
 参加してくれた子ども達、そして担当してくださる先生に感謝します。

住宅用火災警報器の点検と交換

 住宅用火災警報器は、2006年に全ての家庭への装着の義務づけがされましたので、あなたのおうちにも設置されていると思います。
 ところで、その火災警報器、設置してから稼働点検はしたことがあるでしょうか。
 住宅用火災警報器には試験スイッチがついていて、年1回程度はそのスイッチを使って警報器が正常に動くかどうかの点検をしておく必要があります。
 火災警報器は一度設置されるとそのままという場合も多いと思いますが、知らない間に故障したり電池が切れていると言ったケースもありますので、きちんと点検をしておきましょう。
 一般的に、住宅用火災警報器の寿命は10年と言われています。
 2006年の導入時に設置したとすると、現在15年が経過していますので、点検がされていないといざというときに動かなかったり、誤作動を起こして大騒ぎになったりすることも考えられます。
 余談ですが、実は住宅用火災警報器に使っている電池の寿命も10年程度ということなので、「電池切れ=本体交換」と考えてもいいようです。
 あなたのおうちにある住宅用火災警報器、もしも設置して一度も点検していないようでしたら、とりあえず試験スイッチを押してみて下さい。
 正常に作動すればいいですし、反応が無かった場合には、早急に取り替えるようにしましょう。
 また、もしもおうちの火災警報器が100V電源を使うタイプであるなら、設置業者さんに確認をしてみてください。
 せっかくある住宅用火災警報器です。
 いざというときにきちんと仕事をしてくれるように、定期的な点検と状況に応じての交換を忘れないようにしたいですね。

熱中症対策を考える

 ここ数日暑い日が続いていますが、ここ数年、暑くなってくると熱中症についてさまざまなところで注意が呼びかけられています。
 暑いところで起きる熱中症ですが、似たようなものに熱射病や脱水などがあったりして、筆者自身はどう違うのかいまいちピンときていません。
 そもそも熱中症ってなんでしょうか。
 今回はざっくりと熱中症について調べてみたいと思います。

1.熱中症とは?

 熱中症とは、何らかの理由で体温が上がったことにより、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調整機能が働かなくなって体温上昇、めまい、けいれん、頭痛など、さまざまな症状の総称です。
 このうち、強い直射日光によって起きるものが日射病、車や部屋の中といった閉ざされた空間が高温になって起きるものを熱射病、汗や尿など体内の水分は出て行くのに適切に水が供給されずに起こるものを脱水症状と言います。
 お年寄りは感覚が鈍いため、自分が熱中症になったことに気づいたときには自分が動けない状態になっていることが多いですし、地面に近く水分の調整が未成熟な子どもも発症しやすいです。
 ようするに、熱中症は「高温多湿な環境に身体が適応できなくなることにより生じるさまざまなトラブルの総称」だと考えればよさそうです。
 ただ、放っておくと重度な後遺症や死亡を招く場合もあるので症状の初期でいかに適切な対応をするかがとても大切です。

2.熱中症が発生しやすい条件

1)気温が摂氏25度以上のとき
2)湿度80%以上の湿度が高いとき
3)直射日光や日差しの照り返しなど日差しが強いとき
4)無風もしくは風が弱いとき
5)暑さ指数が高いとき
 これらの条件が単独だったり重なったりしたとき、体調によって熱中症が発症します。環境省が運用している熱中症警戒アラートは、この熱中症が発生しやすい条件が揃うと発令されますので参考にするといいでしょう。

3.発生する症状

1)めまいや顔のほてり
2)筋肉痛や筋肉のけいれん
3)身体のだるさや吐き気
4)異常な汗(多量または出ない)
5)体温の上昇
6)皮膚の異常
7)呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない、一時的な意識の喪失
8)腹痛
9)水分補給ができない
といった症状があったら、熱中症を疑います。新型コロナウイルス感染症のおかげであちこちに非接触型の体温計が設置されていますので、体温はこまめに確認しておくと安心です。

4.対応方法

 いずれにしても涼しい場所にすぐに移動させます。クーラーの効いている部屋が一番ですが、なければ風通しのよい日影でも構いません。
 可能であれば衣服を脱がして皮膚に水をかけ、うちわなどであおいで身体からの放熱を助けます。
 氷や冷えた保冷剤があるなら、首筋や脇の下、太ももの付け根など、皮膚のそばを大きな血管が走っている場所を冷やして身体の冷却を助けます。
 とにかく体温を下げることを目的として身体を冷やします。
 身体の深部体温が摂氏40度を超えると全身痙攣などが起きて危険な状態になることがありますから、あらゆる手段を使って身体を冷やしてください。
 意識がはっきりしていて飲み物が飲めるなら、冷たいスポーツドリンクや経口補水液を飲むことで、身体の内部から温度を下げることも可能です。
 ただし、意識がなかったり混濁していたり、吐き気を訴えたりしているときには無理に飲ませないでください。
 「3.発生する症状」の(5)~(9)の場合には救急搬送が必要となりますので、身体を冷やす作業をしながら救急車を手配してください。

5.熱中症の予防

 とにかく暑さを避けることです。涼しい服装で、クーラーの効いた部屋で過ごすこと。窓を開けていても熱風が吹き込んでくることもありますので、涼しい環境を意識して作るようにしてください。
 自宅が暑くてどうにもならないときには、図書館などの公的施設に出かけてみるのも手です。
 また、コロナ渦で標準装備になっているマスクは口元に熱が籠もって体温上昇を招く元です。外出時のソーシャルディスタンスを確保できないときを除いて、なるべく外すようにしてください。どうしてもつけないといけない場合には、負荷のかかる運動や作業はしないようにしてください。
 こまめな水分補給も大切です。喉が渇いていなくても、30分~45分程度に一回は水分をとるようにしてください。このとき、利尿作用のあるカフェインを含む飲料、例えばコーヒーやお茶は飲むと利尿作用によって脱水症状を招くこともありますので、できるだけカフェインの入っていない飲み物を取るようにしてください。

 熱中症は気がついたときには一人ではどうにもならない状態になっていることもよくあります。なるべく誰か人のいるところで水分を取りながら暑さをしのぐというのが、一番よいのかもしれませんね。

地形と避難のタイミング

ハザードマップの一例(益田市高津地区~吉田地区の洪水ハザードマップ)

 災害からの避難では、「〇〇地区に避難指示が出ました」というと〇〇地区の全ての住民が避難所に避難しなくてはならないというイメージを持たれているのではないでしょうか。
 言葉を正確に書くとすると「〇〇地区の被害が想定される場所にいる人に対して避難指示が出ました」というところなのですが、被害が想定される場所は非常に曖昧で行政機関が具体的に指定ができないので、「〇〇地区」というくくりで避難を促す構造になっています。
 ですが、もしも避難指示を素直に受け取って〇〇地区の全ての人が避難所に避難するとしたら、よほど小さな集落でない限り、その避難所の収容能力を大きく超えてしまってパンクしてしまうでしょう。
 また、家はなんともなかったのに避難中に遭難してしまうというケースもありますから、自分のいる場所はどのような災害に対して弱いのかをきちんと把握しておく必要があります。
 そこで確認しておきたいのがハザードマップです。これには土砂災害警戒地域が記載されているはずですから、それを見ると大雨などで崩れる場所がある程度予測できます。また、河川氾濫もハザードマップを見ればある条件下ではありますが被害に遭うところが予測できます。
 排水がうまくいかないことによって発生する内水氾濫についてはハザードマップではわからないものも多いので、国土地理院地図Vector内「自分で作れる色別等高図」で色塗りしたものを使って低い場所を確認しておきます。メートル単位のざっくりとした絵ですが、これである程度低い場所が把握できるので、その地域にいるのであれば優先して避難する必要があることがわかります。

国土地理院Vectorを使って1m刻みにしてみた。こうすると、どこが低いのかが一目でわかる。


 逆に言えば、こういった避難の要件を満たさない場所にいる場合にはそこにいたほうが安全だということが言えるわけですから、慌てて避難しなくてもいいということがわかると思います。
 もちろんこれらで問題ない場所だからと言って100%安全だとは言えませんから、不安であれば避難してもまったく問題ありません。
 重要なのは、自分のいる場所がどんな条件の土地なのかをきちんと知っておくことで、それによって避難判断をする基準が異なるということになります。
 似たような場所に住んでいるからといって、必ず同じように被災するとは限りません。隣り合わせた2件の家が、片方は倒壊して片方はなんともないということもあり得るからです。
 自分が住んでいる場所の地形を把握し、避難が必要だと考えたら、その避難経路も含めた地形の安全をしっかりと確認し、どのタイミングで避難すればより安全かをしっかりと決めておきたいものですね。

避難所設営基本の「き」その5・情報の受取と公開の方法

さまざまな機関からさまざまな情報が送られてくる。どう処理するかが腕の見せ所

 さて、避難所設営も殆ど終わったと思いますが、設営のとき、一つ気をつけておきたいことがあります。
 最初に避難所、特に指定避難所と言われる場所では「地域の被災避難者の住居」と「被災者の支援を行うための物資集積所」という二つの性格を持っているということに触れました。
 小さな避難所や在宅避難者車中避難者などは、この指定避難所に支援物資を受け取りに行くことになりますが、その際に情報も持って帰る場所でもあるということを気にかけておいてください。
 自治体が発信している災害情報は多岐に及んでおり、しかも時間ごとに変わるような内容もありますので、それらが分かるように掲示しておかなければなりません。
 情報の受信方法は、届いていることが一目で分かるFAX一択だと思いますし、避難所への掲示も紙で行った方がわかりやすいし確実です。
 発信元の自治体がそれに対応しているか、そしてどのような掲示物をどのように張り出したら良いのかについてもあらかじめ決めておきましょう。
 ところで、自治体が発信する情報はなぜか言い回しが難しくて字が小さいものが多いのですが、高齢者や疲労の溜まった避難者、日本語が充分に理解できない人などはこれをそのまま読んでもたぶん理解ができないこともあると思います。
 貼り出すときには、あまりに難しい言い回しであれば「やさしい日本語」に変換して大きな字で掲示するのもよいと思います。

 ここまで、避難所設営の基本について書いてみましたが、もしかしたらご存じのやり方と違っているかもしれません。
 ここで書いた避難所設営の基本は、あくまでも筆者が経験と知識からやっておいたほうがよいと感じているものなので、恐らくたくさん抜けがあると思います。
 また、避難所によってはここまで考えなくても良い場所もあると思います。
 要は、避難所設営のときに混乱が起きずに避難者が無事に収容できて避難すべき期間快適に過ごせればよいのですから、そういう視点で避難所の設置について考えていただければいいと思います。
 「避難所はホテルではないし、避難者はお客では無い」ということを前提に、避難所設営を的確に準備していただけるといいと思います。
 ちなみに、避難所は行政や自治体、自主防災組織が運営するものだけではありません。さまざまな事情で自宅にそのまま留まる自宅避難や、医療施設、宿泊施設などに有償で避難するのも当然ありです。
 避難所を準備する方の基本は今回少しだけ触れましたが、避難する側も自分の状況や準備、そして経済状況などを考えて避難先を決めておくといいと思います。